行政は、ストリートピアノではなく、ピアノカフェを補助すべし! [ストリートピアノ]
ウチ(大阪梅田Kimball Piano Salon)の「レンタル・ピアノ練習室」のご利用目的として「ストリートピアノで演奏できるように練習したい!」から、と言われる方が少なくなかったので、ウチで「ストリートピアノ」的なイベントができないか、と考えている所です。
尤も考える程「ストリートピアノ」は、演奏者の「進歩向上」にも、また「音楽振興」にも成らない、と思えてきました。
問題は「ストリートピアノ」は、「路上ライブ」のように演奏者が自分で機材一式を運び込み(道路交通法に違反しつつ)演奏するのではなく、企業なり行政なりが「土地」と「楽器」を提供している、いわば「保護ライブ」です。
僕に言わせれば企業や行政(税金)で支援するのであれば「ストリートピアノ」ではなく、「ストリート=路上」での演奏に適した「マーチバンド」や「ニューオリンズ・ジャズのバンド」「鍵盤ハーモニカ合奏」「フォークのギター弾き語り」、或いは「ストリート・ダンスのチーム」等で、あるレベル以上に限定してライブ演奏して貰った方が有意義です。
行政はピアノに相応しい「屋内ライブ」を支援すべし!
僕は「ストリートピアノ」に懐疑的なのは、そもそもピアノは「ストリート(路上)」設置には向いていない事を指摘できます。
ピアノの保全の理想は、大きなホールにあるエアコン完備の「ピアノ収蔵庫」ですが、ホールといえども「使わぬピアノ」は「読まれぬ本」同様に無意味です。だから、とにかく弾いた方が良いのですが、かと言って駅の構内や広場等に設置されると湿気等でピアノは痛んでしまいます。
屋外演奏が多い「マーチバンド」にせよ、演奏後は楽器を仕舞い、手入れして保管するのに対し、ピアノは吹きっさらしの中に置きっぱなしとなります。いわば「ピアノのホームレス」みたいな扱いになる訳です。
そもそも「誰でも自由に演奏しても構わない」というコンセプト自体に問題がありますが、それをある程度認めるにせよ、「ストリート(路上)」にピアノを設置する、というのはピアノにとって酷です。
勿論「コンサートホール」だけが「ピアノ演奏する場」とは思いませんが、対極とも言える「ストリート」に関しては僕は反対です。
では「ストリートピアノ」はどうあるべきか?
僕は「ピアノを設置したカフェ」等で、ある程度、演奏レベルを確保した「ストリートピアノ」を行政なりが展開すべきだと思います。
「ピアノを設置したカフェ」でのストリートピアノの問題点
何かの商売をすると痛感しますが、「場所代」は商売上の大きな負担になります。一時期「キッチンカー」なるものが流行しましたが、お客さんが入るような場所は、「キッチンカー」といえども何らかの「場所代」を払っている筈です。
「ストリートピアノ」の場合、アップライトならば畳半分程、グランドならば二畳程度の「場所」が必要ですが、そんな場所を「無料」で提供して貰えるとならば、物凄く沢山の「キッチンカー」が使用申し込みに殺到する筈です。
それほどに価値の高い「場所」を「ストリートピアノ」に気前よく提供してくれるのは、例えば駅構内の場合、だだっ広いスペースがあり、グランドピアノ一台分のスペースなぞ、地主からすれば痛くもかゆくもない、からでしょう。
かと言って「キッチンカー」に「無料」で貸すとなれば、有料、つまり家賃を払っている他の店舗から苦情が殺到してしまうでしょう。
では「カフェ」や「本屋」「美容院」等にピアノを設置するとなればどうなるでしょうか?
基本的に、よほどお店は別として、ピアノを設置する位ならば客席や商品棚を増やした方が儲かります、というか、生き残れます。
では広い「フードコート」のような場所で「ストリートピアノ」を設置するとどうなるのか?相変わらずバンバン、カンカンと「鍵盤叩き」をやれば、「うるさい」「不愉快だ」という苦情が殺到してしまいます。
結局、「誰でも自由に演奏できる=ストリートピアノ」は、行政や企業の気まぐれで、現在は流行っていますが、将来性は全くない、と言えます。
では「演奏者をふるいにかけて、ある程度、聴ける演奏に限定」し、かつピアノにとっての、まぁマシな設置場所といえるカフェやブティック等での「ピアノ・ライブ」をするとなれば、どうなのか?
これは説明は省略しますが、お店の「売上」という観点ではマイナスの筈です。演奏者は「ピアノ演奏すれば、聴きたい人が入店して売上が上がる」と自負する筈ですが、実際に経営すると判りますが、「そんな事はやらない方がマシ」。
僕自身は、正に、そういう環境といいますか「売上増」という責任の上で、この手の職を長年続けましたが、これは「演奏がウケれば済む」というものでは全くなく、一言で言えば「飲食業」について理解しないと成立しない仕事なのです。
自分の演奏が悪い、とは思いませんが、「演奏が良ければ売上が増える」というものでもなく、非常に難しい仕事といえますが、一般的に「ライブ演奏」をやれば総合的には「売上が減る」と考えた方が無難です。
「演奏レベルに条件を設けてのライブ」をカフェや物販の店舗でやる場合、演奏者の人件費もさる事ながら「売上が減る」という事を前提とし、行政が「ストリートピアノ」を推奨するのであれば、この「減った売上分」を行政が補助する、という事が妥当です。
という訳で「行政が補助するならば、ストリートピアノではなく、カフェ等のピアノライブを補助せよ!」という事でこの話を終えましょう。
ではウチとしては何をすべきか?を次回お話します。つづく
尤も考える程「ストリートピアノ」は、演奏者の「進歩向上」にも、また「音楽振興」にも成らない、と思えてきました。
問題は「ストリートピアノ」は、「路上ライブ」のように演奏者が自分で機材一式を運び込み(道路交通法に違反しつつ)演奏するのではなく、企業なり行政なりが「土地」と「楽器」を提供している、いわば「保護ライブ」です。
僕に言わせれば企業や行政(税金)で支援するのであれば「ストリートピアノ」ではなく、「ストリート=路上」での演奏に適した「マーチバンド」や「ニューオリンズ・ジャズのバンド」「鍵盤ハーモニカ合奏」「フォークのギター弾き語り」、或いは「ストリート・ダンスのチーム」等で、あるレベル以上に限定してライブ演奏して貰った方が有意義です。
行政はピアノに相応しい「屋内ライブ」を支援すべし!
僕は「ストリートピアノ」に懐疑的なのは、そもそもピアノは「ストリート(路上)」設置には向いていない事を指摘できます。
ピアノの保全の理想は、大きなホールにあるエアコン完備の「ピアノ収蔵庫」ですが、ホールといえども「使わぬピアノ」は「読まれぬ本」同様に無意味です。だから、とにかく弾いた方が良いのですが、かと言って駅の構内や広場等に設置されると湿気等でピアノは痛んでしまいます。
屋外演奏が多い「マーチバンド」にせよ、演奏後は楽器を仕舞い、手入れして保管するのに対し、ピアノは吹きっさらしの中に置きっぱなしとなります。いわば「ピアノのホームレス」みたいな扱いになる訳です。
そもそも「誰でも自由に演奏しても構わない」というコンセプト自体に問題がありますが、それをある程度認めるにせよ、「ストリート(路上)」にピアノを設置する、というのはピアノにとって酷です。
勿論「コンサートホール」だけが「ピアノ演奏する場」とは思いませんが、対極とも言える「ストリート」に関しては僕は反対です。
では「ストリートピアノ」はどうあるべきか?
僕は「ピアノを設置したカフェ」等で、ある程度、演奏レベルを確保した「ストリートピアノ」を行政なりが展開すべきだと思います。
「ピアノを設置したカフェ」でのストリートピアノの問題点
何かの商売をすると痛感しますが、「場所代」は商売上の大きな負担になります。一時期「キッチンカー」なるものが流行しましたが、お客さんが入るような場所は、「キッチンカー」といえども何らかの「場所代」を払っている筈です。
「ストリートピアノ」の場合、アップライトならば畳半分程、グランドならば二畳程度の「場所」が必要ですが、そんな場所を「無料」で提供して貰えるとならば、物凄く沢山の「キッチンカー」が使用申し込みに殺到する筈です。
それほどに価値の高い「場所」を「ストリートピアノ」に気前よく提供してくれるのは、例えば駅構内の場合、だだっ広いスペースがあり、グランドピアノ一台分のスペースなぞ、地主からすれば痛くもかゆくもない、からでしょう。
かと言って「キッチンカー」に「無料」で貸すとなれば、有料、つまり家賃を払っている他の店舗から苦情が殺到してしまうでしょう。
では「カフェ」や「本屋」「美容院」等にピアノを設置するとなればどうなるでしょうか?
基本的に、よほどお店は別として、ピアノを設置する位ならば客席や商品棚を増やした方が儲かります、というか、生き残れます。
では広い「フードコート」のような場所で「ストリートピアノ」を設置するとどうなるのか?相変わらずバンバン、カンカンと「鍵盤叩き」をやれば、「うるさい」「不愉快だ」という苦情が殺到してしまいます。
結局、「誰でも自由に演奏できる=ストリートピアノ」は、行政や企業の気まぐれで、現在は流行っていますが、将来性は全くない、と言えます。
では「演奏者をふるいにかけて、ある程度、聴ける演奏に限定」し、かつピアノにとっての、まぁマシな設置場所といえるカフェやブティック等での「ピアノ・ライブ」をするとなれば、どうなのか?
これは説明は省略しますが、お店の「売上」という観点ではマイナスの筈です。演奏者は「ピアノ演奏すれば、聴きたい人が入店して売上が上がる」と自負する筈ですが、実際に経営すると判りますが、「そんな事はやらない方がマシ」。
僕自身は、正に、そういう環境といいますか「売上増」という責任の上で、この手の職を長年続けましたが、これは「演奏がウケれば済む」というものでは全くなく、一言で言えば「飲食業」について理解しないと成立しない仕事なのです。
自分の演奏が悪い、とは思いませんが、「演奏が良ければ売上が増える」というものでもなく、非常に難しい仕事といえますが、一般的に「ライブ演奏」をやれば総合的には「売上が減る」と考えた方が無難です。
「演奏レベルに条件を設けてのライブ」をカフェや物販の店舗でやる場合、演奏者の人件費もさる事ながら「売上が減る」という事を前提とし、行政が「ストリートピアノ」を推奨するのであれば、この「減った売上分」を行政が補助する、という事が妥当です。
という訳で「行政が補助するならば、ストリートピアノではなく、カフェ等のピアノライブを補助せよ!」という事でこの話を終えましょう。
ではウチとしては何をすべきか?を次回お話します。つづく