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ストリートピアノ=ピアノの暴走族=うさるい、不愉快、と思われがち [ストリートピアノ]

僕のスタジオである「Kimball Piano Salon」の業務である「米国製グランドピアノ設置のレンタル・ピアノ練習室(お一人様一時間650円)」をご利用される方の目的として、「ストリートピアノで演奏する為の練習」を上げる方が結構おられました。

ならば僕のスタジオで「ストリートピアノ的なイベント」ができないか?と考え始めた次第ですが、そもそも「ストリートピアノとは何か?」と考えると、そもそも「ピアノはストリートで弾くための楽器ではない」と思いました。

市町村によっては「ストリートピアノ」を推進するらしいですが、「ストリートピアノ」の場所が増えようが、ピアノによる音楽振興には連ならず、それどころか「うるさい、不愉快」という苦情が増えるばかり。

僕の所の企画を考える前に「ストリートピアノはどうあるべきか?」を考えてみました。

ストリートは「音楽振興」に連なるのか?

「ストリートピアノで演奏したい」という人は少なくないと思いますが、「ストリートピアノを聴くのが好きだ」という人は少数なようです。

中には素晴らしい演奏もあるにせよ、失礼ながら、正統的な演奏のスキルが低く、他では相手にされない(オーディションに受からない)人が、「ストリートピアノ」で「憂さ晴らし」している、という図式も少なくないようです。

想像ですが「ストリートピアノ」の増加と、アマチュアの人が「習わないで我流で演奏する」為の本やら動画の増加、は無関係ではないようです。

ピアノ教室に習いに行くと単なる「初心者」として相手にされないが、我流でワンフレーズを叩きまくれば済む「ストリートピアノ」ならば、自己陶酔できる演奏。しかし通りかかった人には「うるさく、不愉快」な騒音でしかない。

問題は誰が「ストリートピアノ」の「主催者」なのか、という点ですね。自分のアップライトピアノを運送屋さんに頼んで運び込む、という人はいない筈で、JR構内ならばJRが、或いは都庁前ならば行政が「後援」してピアノを設置しているようです。

勿論、「ストリートピアノ」が設置された理由は「ピアノによる音楽振興」みたいな大義名分がある筈ですが、果たして、そういう価値があるのでしょうか?


「ストリートピアノ=ピアノの暴走族」???

全員がそうとは限りませんが、「ストリートピアノで演奏するのが好き」という人に限って、ちゃんと「習う=正しく弾く」という事をやらない傾向にあるようです。

或いは「プロ」の場合は、端的には「お金を貰わないと人前では演奏しない」か「ちゃんとした屋内の演奏空間でしか演奏しない」筈。

推奨する訳ではないが、「路上ライブ」と称して、ギターや最近は電子ピアノを持参して路上で演奏する人が増えています。本来は「道路交通法」違反だそうですが、警察も見て見ぬふり。僕の感想としては、演奏の質はさて置き、「PA(拡声用スピーカー」まで持参し「大音量」で演奏するのは「マナー違反」と言いますか「道路使用料を払わずライブ」をするのは「泥棒」みたいなものだと感じます。

まぁ、マイクを使って、ギターの弾き語りするとか、音量は大きいがトランペットやサックスの演奏をするとかは良し。いずれにせよ「ピアノ」は使えない訳で、精々、乾電池駆動のスピーカー付きキーボードか「鍵盤ハーモニカ」あたりを使うべき。

その点で「ストリートピアノ」はアップライトやグランドのピアノを「公」に用意してくれる訳で「結構な身分」とも言えますが、僕自身は否定的ですが「PAスピーカーと電子ピアノを持参して路上ライブで弾き語りをやる若い女性」に比べて、「価値がある演奏」をしているのか、と言えばノーとしか言えません。

「路上ライブ」をやるような人は、「セミプロ」くらいを目指すような人が多く、自分で造ったCDを販売したりする訳で、ある程度以上の音楽レベルが期待できます。僕のようなジャズ屋からすれば認められませんが、限られた音楽知識や技法の中で、最良の音楽をやろう、と準備してきているし、よきも悪しきも「聴く人の心に届く」音楽となります。

「ストリートピアノ」での演奏にも、そういうレベルや方向性の人もおられますが、どちらかと言えば「鍵盤叩きが好き」で騒音を発する程に悦に入る、という暴走族みたいな人も少なくありません。

要するに、僕に言わせると「ストリートピアノ=ピアノの暴走族」な訳で、少なくとも行政が税金を使って推奨するような事ではない、となります。


では「ストリートピアノ」或いは「ストリートの音楽」はどうあるべきなのでしょうか?

僕は「ストリートピアノ」はピアノにとっても過酷だし、ちゃんとしたピアニストにとっても演奏に相応しい場所ではないので、無くなっても構わない、と考えます。

但し「ストリートの音楽(路上ライブ)」は活発化されても良い筈です。


行政が援助すべき「ストリート音楽」の内容

では「ストリートの音楽(路上ライブ)」、特に行政が援助するものはどうあるべきなのでしょうか?

僕は、その第一条件として「健全さ」を挙げます。バカみたいに音のデカいロックは「迷惑」ですが、ロックだろうが小音量ででき、且つ、ある程度「健全」つまり子供も大人も楽しめるものはあります。

逆に傍若無人にアンプの音量を上げ、本人は楽しいかも知れないが、大勢の人には「騒音」にしか聴こえない「パンクロック」なぞは禁止。その手のミュージシャンは甘える事なく、チケット代を分担し、どこぞのライブハウスで同好の士を相手にライブするべきです。

むしろ「マーチバンド」とか、今の時代ならば「大人も子供も楽しめるニューオリンズジャズ」、フォークソング、カントリーミュージック、民謡、クラシックの管楽器合奏なぞが良いと思います。
(写真は早稲田大学「ニューオリンズジャズクラブ」の皆さん。)
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或いは僕自身はあまり好きではないが、「ストリートダンス」をちゃんと企画した路上イベントとして行えば「青少年の育成」とやらにも貢献できるでしょう。
(写真はご近所にある大阪中津ダンススクールワンダーさん)
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では「ストリートピアノ」はどうあるべきなのか?

という訳で「ストリートピアノなんか無くしてしまえ!」という乱暴な結論になりましたが、「とにかく演奏したい!」という向上心は大切にしたいもの。

つまり「ストリートピアノ」を「ピアノを設置するに相応しい環境」での演奏に限定し、
その範疇の一つとして、僕のスタジオで何かできないか、と考えてみた次第です。

つづく





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