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「習わずにピアノが弾けるようになる本」で挫折した人の為のジャズピアノ・メソッド [Lee Evans Society]

僕が主宰している「リー・エバンス・ソサエティ」は米国の教育家リー・エバンス教授による「ジャズピアノ」メソッドの普及活動を行っています。

この「リー・エバンス・メソッド」は「ジャズ」のみならず「ピアノ」の習得も重視します。

つまり「正統的なピアノ奏法」でジャズなりクラシックが弾けるようになる、という訳ですが、たいし対象は「ピアノ入門」~「上級」までカバーします。

昨日からリー・エバンスの「ピアノ入門~初級」について、対象者像に合わせてお話しています。
昨日は「ピアノもジャズも未経験な方」を対象としたお話。

今日は、現役世代の男性に多い
「習わずにピアノが弾けるようになる本」を「購入」して練習したが、結局、挫折して「ピアノを習う事を決意」した人

を対象としたお話。

本来、ピアノは習うものでした

僕の世代が「ピアノを弾けるようになりたい」と思った場合、「ピアノ教室に習いに行く」のが常識でした。

「教室にピアノを習いに来る」のは子供が多く、ご両親は「子供の為ならば」と奮発して月謝やピアノ購入費を捻出したものです。

従って従って子供の時に習い始め、学年が上がるに連れ、ピアノも進級し、高校生ともなれば、時々行われる「発表会」では「幻想即興曲」やら「悲愴ソナタ」あたりを弾く「トリを飾る」生徒も現れます。

たまには「大人の生徒さん」もおられましたが、案外「トリを飾る」程にはバリバリと弾けず、しかし「中の上」位の出番を与えられる、というのがよく見かけるパターンでした。

逆にいえば、いい年したオバサンやオジサンが「バイエル・レベルの曲」を弾くのはカッコ悪いから出演したがらない、というのも、よくあるパターンでした。

昔と比べ今は、「ピアノ教室」も沢変わりし、生徒さんの主流が「子供」から「大人」に移りつつあり、且、教室によっては平均年齢が七十歳位になるそうで、「大人」の中でも「シニア…特にご婦人」のご活躍が目立つようです。

「シニア」生徒さん達の良い点は、こう言ってはなんですが、あまり上手い人は少なく、教室の全員が「初心者」という事も当たり前。競うのではなく、仲間同士として「ピアノを楽しむ」という感じで、これは、とても良い事ですね。

或る意味、「子供」や「シニア」は「ピアノ教室に習いに行き易い」のですね。

現役世代の男性にとって「ピアノ教室」にて「ピアノ入門」するのはハードルが高いですか?

対して「子供やシニアに混じってピアノ初心者になるのは沽券に関わる」とか「時間がない」とかで、現役世代は「ピアノ教室」の敷居を高く感じたり、特に男性は「習わずにピアノが弾けるようになる本」やら「アプリ」で「独学」する方も少なくありません。

「独学」が悪いとは言いませんが、「習わずにピアノが弾けるようになる本」や「アプリ」で「ピアノが弾けるようになる」のか?といえば十中八九無理でしょうねぇ。

実際、僕の教室(大阪梅田Kimball Piano Salon)にも「習わずにピアノが弾けるようになる本」で頑張られた方が「レッスンの問合せ」で時々来られます。

何かと問題が多い「習わずにピアノが弾けるようになる方法」での独学

「試しに何か弾いて聴かせて下さい」というと、ショパンなりベートーヴェンなり、或いはジャズピアノの一部を、それなりに弾かれるので、正直、私も最初は驚きました。

但し、僕の所は「まともなピアノ教室」なので、「ショパン/華麗なるポロネーズ」や「ビル・エバンス/ワルツ・フォー・デビュー」が弾けようが(本当に弾けていれば良いのですが…)、レッスンとしては「基礎」からやって貰います。

すると、これが全然弾けないんですね。

ごく簡単な譜面さえ弾けない。一体どうやって「華麗なるポロネーズ」を曲がりなりにも弾けるようになったのか?と尋ねると、「楽譜にルビを打ち、CDを繰り返し聴いて音を覚える」を一年も二年も続けて、漸く「華麗なるポロネーズ」が弾ける(?)ようになった、との事。

僕としては「はぁー」と驚き、呆れるしかない、のは、よくぞ「辛抱強く」練習というか、「鍵盤探り弾き」を一年も、二年もやり続けるものだ、と感じるからです。

例えば僕の場合、クラシックでいえばリスト、ジャズでいえばアート・テイタムあたりの「難易度の高い楽譜」を練習しますが、初見で、物凄いゆっくりしたテンポならば、音を拾える曲しか、「練習」材料として取り上げませんものね。

「手も足も出ない楽譜」を気長に「練習」するよりは、「なんとかなりそうな曲」を沢山「練習」する内に、自然とレベルがあがり、以前は「手も足も出なかった曲」が、何とかなりそうになる訳です。

急がば回れ=「基礎」から学び事の重要性

二年や三年で「英雄ポロネーズ」が弾けるようになるとは思いませんが、二年でも「基礎からちゃんと学ぶ」と、色々と「ちゃんと弾ける曲」つまりレパートリーが増えてきます。

「アプリ」なぞは論外。

まともな音楽家ならば、「アプリ」で練習する位ならば、YouTubeで色々な名演奏を聴く方が遥かに「練習」になります。

「間違えずに鍵盤を押さえればよい」なんて発想は、「サプリさえ食べれば、食べ物は要らない」と同じ位にウソです。

「習わずにピアノが弾けるようになる本」の類を書いた人は、自分の経験で書いているだろうからウソではないが「間違っている」と断言できます。

独学するにせよ習うにせよ「基礎から始めるメソッド」が必要

仮に「独学」で学ぶにせよ、「好きな難曲を二年もかけて探り弾きして覚える」なんてのは「人生(=時間)の浪費」であり、絶対に「初心者用の教材」を最初のページから習得すべき。

ちなみに「ジャズ」で始めるならば「リー・エバンス」は、僕が関わっているから、という理由ではなく、客観的に見て良いメソッドだからお薦めします。

クラシックならば、「バイエル」は「昔からある」とか「当たり前過ぎてツマラナイ」という理由ではなく、「ピアノ教材として、音楽性も、技術習得も良くない」からお薦めしませんが、バスティンやトンプソン、中村菊子もの、或いはギロック関係にも色々と良いメソッドがあります。

個人的には「独学」でやるならば「バスティン」が良いかな、と思います。

問題は、「独学」で「正しく弾ける」のかという点。間違った弾き方で何年やろうが、大して上達しません。


「リー・エバンス・メソッド」の場合も「正しい弾き方」で弾かねば効果がありません。

ちなみに「正しい弾き方」というのは、クラシックの「正統的なピアノ奏法」という意味とほぼ同じですが、加えて「正しいジャズリズム」というものも必要です。

尚、これも誤解されていますが、クラシック、ジャズ双方の人がいう「ジャズ特有のリズム感」やら「ジャズ特有のハーモニー」や「ジャズ特有の弾き方」なぞは存在しません。

元々バッハやベートーヴェンやショパン等の「クラシック音楽に含まれていたリズムやハーモニー」を表出させたのが「ジャズのリズム」なのです。

他の所にも書きましたが、例えば「ハイドン」のハーモニーは、表向きこそ「古典派」ですが、背後にあるハーモニーは、二百年以上後のラベルや、ジャズのビル・エバンスやなんかと同じです。

いわば昔は「下着」であり人前では見せなかったシャツが、今では、当たり前のように人前で見せるのと同じ。基本的に「同じリズムやハーモニー」だから短期間の間に、ジャズは欧米で普及した訳です。

だから「リー・エバンス・メソッド」で「リズム感」について理解して頂ける訳ですが、現時点、これは「独学」では難しい訳で、やはり習いに来られた方が早いかと思います。

三教科制のレッスン

別な機会に詳しくお話ししますが、今迄「習わずにピアノが弾けるようになる本」の方法ででなまじ練習し「人生を浪費」されていた方が「リー・エバンス・メソッド」でのレッスンに来られた場合、三教科制で学びます。

尤も、これは他の対象者やレッスンプログラムも同様で「リー・エバンス・メソッド=三教科制」となります。

つまり下記のようになります。

・ピアノ教本(演奏テクニック) ・ソルフェージュ(作曲と和音付け他) ・楽曲

これについては、次回「3、これからピアノを始める或いはバイエル程度の経験があり、クラシックだけでなくジャズも学びたい」中学生以下のKids〜ジュニアの項でお話します!

つづく

リー・エバンス・メソッドで学べる音楽教室(大阪、横浜他)
大阪梅田芸術劇場北向い Kimball Piano Salon 講師 藤井一成
電話 07054385371 http://www.eonet.ne.jp/~pianosalon/Kimball_Piano_Salon
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