SSブログ
ストリートピアノ ブログトップ

米国製グランドピアノ練習室にてYouTube動画制作無料!大阪梅田Kimball PS [ストリートピアノ]

この三日間「ストリートピアノ」について書いてきました。結論として、

・ピアノという楽器は「ストリート」に適していない。
・行政等が支援するならば「ストリートピアノ」ではなく、ストリート(路上)演奏に適した       
 マーチバンドやディキシーランド・ジャズ、ストリートダンス等であるべき。

という身も蓋もない話になりましたが、逆に言えば「ピアノ設置に適した環境」で「不特定多数の人に向けてのライブ」は面白い、と感じました。

ならば我田引水、それをウチのスタジオ(大阪梅田「KImball Piano Salonのピアノ練習室」)でできないか、と考えた訳です。


インターネットという「ストリート」での「ピアノ演奏」企画


うちの練習室は四畳半ほどの「防音カプセルに米国製Kimball グランドピアノが設置されているだけ」の、どうという事のないスペースですが、梅田駅に近いという立地の良さと低料金(お一人様一時間650円)事から、色々な方がご利用されます。

この部屋で「音楽教室」としてのレッスン稼働や定期的にリハーサルご利用もあり、「レンタル練習室」として使える時間に限りがあるので、積極的には宣伝しませんが、常連になられた方とは色々なお話をする機会があります。

大体の方が「本番に向けての練習」の為にうちの練習室をご利用される訳ですが、同時に「出番」つまり「演奏する機会」を探している方も少なくないな、という印象。

そして、その参加しやすい「出番」として「ストリートピアノ」をあげられる方が少なくなかったのですが、「ストリートピアノ」は、ピアノ演奏を向上させる、とは思えません。

「やはりピアノは屋内で音楽的に演奏すべきだ」と考えて、我田引水、ウチの「練習室」の活用から「インターネット・ストリートピアノ風ライブ」を考えた次第。


「米国製グランドピアノ練習室」オンライン「ストリートピアノ」参加者募集!

具体的に何をするのか考えてみました。

1案;グランドピアノを座っている演奏したい人が準に演奏する→却下
これは全然ツマラナイ、といいますか単なる「練習会」。そもそも他のスタジオさんが、
レンタルとして、誰かが主催してやっておられるようです。

2案;順番に演奏する様子をYouTubeライブ中継→却下
応募された出演者の方に順番に演奏して頂きます。その演奏風景をYouTubeライブ中継する、という訳ですが、現実問題、決めた時刻に着て頂き、出番迄待機して頂くのも気の毒ですが、そもそも一発録画で最良のシーンを配信できる保障は全くありません。更に、演奏者が交代する時間が間が抜けるのは致し方ないとして、そういうライブを観たい人がいるのかどうか不明。


3案;演奏者を個別に録画~編集しYouTubeで公開→代り映えしないがこれに決定

これは以前、実験的にやっていた企画ですが、レンタル等で練習して頂き「演奏の準備」が整った時点で、演奏を撮影します。この場合、間違ってた場合、何度でもやり直せます。また編集で良い部分のみや、練習風景や会話風景等も動画に入れ、最終的に十五分位にして、YouTubeに公開します。

実は公開はしていませんが、この形で色々な方を動画撮影〜編集させて頂きました。

一例「美人ピアノデュオ」ライブ
javascript:;

https://youtu.be/jH6WFojb8ok?si=7VnXCpP_MD8JdBnj

大して機材を使う訳でなく、適当に撮影し、編集しただけですが、そもそも小さな練習室で、別段、名器という訳でもないピアノを弾くカジュアルなピアニスト・ディリーという実像がそのまま出ているかと思います。

振るってご参加下さい!

結局、ウチ的には「ありふれた日常の一コマ(レンタル業務)」に過ぎず、また「練習のつもりでお気軽」に傘下して頂ければ良い訳ですが、二時間(千三百円)以上レンタル頂いた方について。
ご希望されれば無料で動画撮影〜YouTubewで公開致します。(限定公開でもOK)

実際やるとなれば、何度でも録画のやり直しが効く、と思っていても案外に緊張するものですし、後で動画を観直すと演奏のアラが観えたりします。つまりウチの「練習室での動画撮影」する事で、何らかの演奏についての向上が期待できます。

私の方も、録画機材等を段階的にグレードアップしたいと思いますが、とりあえず、以前からやっていた「動画撮影サービス」ですが「ストリートピア的イベントをやる」というキャンペーンとして2023年12月末までは、レンタル使用料(一時間お一人様650円。但し二時間以上或いはお二人以上ご参加の場合は一時間)のみで動画制作を致します。

どうぞ皆様、ふるってご参加下さいませ。お問合せは下記ホームページからメールまたはお電話にて

大阪梅田芸術劇場北向 Kimball Piano Salon 梅田練習室 電話(0705)438-5371 藤井一成

http://www.eonet.ne.jp/~pianosalon/Kimball_Piano_Salon




nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:資格・学び

行政は、ストリートピアノではなく、ピアノカフェを補助すべし! [ストリートピアノ]

ウチ(大阪梅田Kimball Piano Salon)の「レンタル・ピアノ練習室」のご利用目的として「ストリートピアノで演奏できるように練習したい!」から、と言われる方が少なくなかったので、ウチで「ストリートピアノ」的なイベントができないか、と考えている所です。

尤も考える程「ストリートピアノ」は、演奏者の「進歩向上」にも、また「音楽振興」にも成らない、と思えてきました。

問題は「ストリートピアノ」は、「路上ライブ」のように演奏者が自分で機材一式を運び込み(道路交通法に違反しつつ)演奏するのではなく、企業なり行政なりが「土地」と「楽器」を提供している、いわば「保護ライブ」です。

僕に言わせれば企業や行政(税金)で支援するのであれば「ストリートピアノ」ではなく、「ストリート=路上」での演奏に適した「マーチバンド」や「ニューオリンズ・ジャズのバンド」「鍵盤ハーモニカ合奏」「フォークのギター弾き語り」、或いは「ストリート・ダンスのチーム」等で、あるレベル以上に限定してライブ演奏して貰った方が有意義です。

行政はピアノに相応しい「屋内ライブ」を支援すべし!

僕は「ストリートピアノ」に懐疑的なのは、そもそもピアノは「ストリート(路上)」設置には向いていない事を指摘できます。

ピアノの保全の理想は、大きなホールにあるエアコン完備の「ピアノ収蔵庫」ですが、ホールといえども「使わぬピアノ」は「読まれぬ本」同様に無意味です。だから、とにかく弾いた方が良いのですが、かと言って駅の構内や広場等に設置されると湿気等でピアノは痛んでしまいます。

屋外演奏が多い「マーチバンド」にせよ、演奏後は楽器を仕舞い、手入れして保管するのに対し、ピアノは吹きっさらしの中に置きっぱなしとなります。いわば「ピアノのホームレス」みたいな扱いになる訳です。

そもそも「誰でも自由に演奏しても構わない」というコンセプト自体に問題がありますが、それをある程度認めるにせよ、「ストリート(路上)」にピアノを設置する、というのはピアノにとって酷です。

勿論「コンサートホール」だけが「ピアノ演奏する場」とは思いませんが、対極とも言える「ストリート」に関しては僕は反対です。

では「ストリートピアノ」はどうあるべきか?

僕は「ピアノを設置したカフェ」等で、ある程度、演奏レベルを確保した「ストリートピアノ」を行政なりが展開すべきだと思います。

「ピアノを設置したカフェ」でのストリートピアノの問題点

何かの商売をすると痛感しますが、「場所代」は商売上の大きな負担になります。一時期「キッチンカー」なるものが流行しましたが、お客さんが入るような場所は、「キッチンカー」といえども何らかの「場所代」を払っている筈です。

「ストリートピアノ」の場合、アップライトならば畳半分程、グランドならば二畳程度の「場所」が必要ですが、そんな場所を「無料」で提供して貰えるとならば、物凄く沢山の「キッチンカー」が使用申し込みに殺到する筈です。

それほどに価値の高い「場所」を「ストリートピアノ」に気前よく提供してくれるのは、例えば駅構内の場合、だだっ広いスペースがあり、グランドピアノ一台分のスペースなぞ、地主からすれば痛くもかゆくもない、からでしょう。

かと言って「キッチンカー」に「無料」で貸すとなれば、有料、つまり家賃を払っている他の店舗から苦情が殺到してしまうでしょう。

では「カフェ」や「本屋」「美容院」等にピアノを設置するとなればどうなるでしょうか?

基本的に、よほどお店は別として、ピアノを設置する位ならば客席や商品棚を増やした方が儲かります、というか、生き残れます。

では広い「フードコート」のような場所で「ストリートピアノ」を設置するとどうなるのか?相変わらずバンバン、カンカンと「鍵盤叩き」をやれば、「うるさい」「不愉快だ」という苦情が殺到してしまいます。

結局、「誰でも自由に演奏できる=ストリートピアノ」は、行政や企業の気まぐれで、現在は流行っていますが、将来性は全くない、と言えます。

では「演奏者をふるいにかけて、ある程度、聴ける演奏に限定」し、かつピアノにとっての、まぁマシな設置場所といえるカフェやブティック等での「ピアノ・ライブ」をするとなれば、どうなのか?

これは説明は省略しますが、お店の「売上」という観点ではマイナスの筈です。演奏者は「ピアノ演奏すれば、聴きたい人が入店して売上が上がる」と自負する筈ですが、実際に経営すると判りますが、「そんな事はやらない方がマシ」。

僕自身は、正に、そういう環境といいますか「売上増」という責任の上で、この手の職を長年続けましたが、これは「演奏がウケれば済む」というものでは全くなく、一言で言えば「飲食業」について理解しないと成立しない仕事なのです。

自分の演奏が悪い、とは思いませんが、「演奏が良ければ売上が増える」というものでもなく、非常に難しい仕事といえますが、一般的に「ライブ演奏」をやれば総合的には「売上が減る」と考えた方が無難です。

「演奏レベルに条件を設けてのライブ」をカフェや物販の店舗でやる場合、演奏者の人件費もさる事ながら「売上が減る」という事を前提とし、行政が「ストリートピアノ」を推奨するのであれば、この「減った売上分」を行政が補助する、という事が妥当です。

という訳で「行政が補助するならば、ストリートピアノではなく、カフェ等のピアノライブを補助せよ!」という事でこの話を終えましょう。

ではウチとしては何をすべきか?を次回お話します。つづく




nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:資格・学び

ストリートピアノ=ピアノの暴走族=うさるい、不愉快、と思われがち [ストリートピアノ]

僕のスタジオである「Kimball Piano Salon」の業務である「米国製グランドピアノ設置のレンタル・ピアノ練習室(お一人様一時間650円)」をご利用される方の目的として、「ストリートピアノで演奏する為の練習」を上げる方が結構おられました。

ならば僕のスタジオで「ストリートピアノ的なイベント」ができないか?と考え始めた次第ですが、そもそも「ストリートピアノとは何か?」と考えると、そもそも「ピアノはストリートで弾くための楽器ではない」と思いました。

市町村によっては「ストリートピアノ」を推進するらしいですが、「ストリートピアノ」の場所が増えようが、ピアノによる音楽振興には連ならず、それどころか「うるさい、不愉快」という苦情が増えるばかり。

僕の所の企画を考える前に「ストリートピアノはどうあるべきか?」を考えてみました。

ストリートは「音楽振興」に連なるのか?

「ストリートピアノで演奏したい」という人は少なくないと思いますが、「ストリートピアノを聴くのが好きだ」という人は少数なようです。

中には素晴らしい演奏もあるにせよ、失礼ながら、正統的な演奏のスキルが低く、他では相手にされない(オーディションに受からない)人が、「ストリートピアノ」で「憂さ晴らし」している、という図式も少なくないようです。

想像ですが「ストリートピアノ」の増加と、アマチュアの人が「習わないで我流で演奏する」為の本やら動画の増加、は無関係ではないようです。

ピアノ教室に習いに行くと単なる「初心者」として相手にされないが、我流でワンフレーズを叩きまくれば済む「ストリートピアノ」ならば、自己陶酔できる演奏。しかし通りかかった人には「うるさく、不愉快」な騒音でしかない。

問題は誰が「ストリートピアノ」の「主催者」なのか、という点ですね。自分のアップライトピアノを運送屋さんに頼んで運び込む、という人はいない筈で、JR構内ならばJRが、或いは都庁前ならば行政が「後援」してピアノを設置しているようです。

勿論、「ストリートピアノ」が設置された理由は「ピアノによる音楽振興」みたいな大義名分がある筈ですが、果たして、そういう価値があるのでしょうか?


「ストリートピアノ=ピアノの暴走族」???

全員がそうとは限りませんが、「ストリートピアノで演奏するのが好き」という人に限って、ちゃんと「習う=正しく弾く」という事をやらない傾向にあるようです。

或いは「プロ」の場合は、端的には「お金を貰わないと人前では演奏しない」か「ちゃんとした屋内の演奏空間でしか演奏しない」筈。

推奨する訳ではないが、「路上ライブ」と称して、ギターや最近は電子ピアノを持参して路上で演奏する人が増えています。本来は「道路交通法」違反だそうですが、警察も見て見ぬふり。僕の感想としては、演奏の質はさて置き、「PA(拡声用スピーカー」まで持参し「大音量」で演奏するのは「マナー違反」と言いますか「道路使用料を払わずライブ」をするのは「泥棒」みたいなものだと感じます。

まぁ、マイクを使って、ギターの弾き語りするとか、音量は大きいがトランペットやサックスの演奏をするとかは良し。いずれにせよ「ピアノ」は使えない訳で、精々、乾電池駆動のスピーカー付きキーボードか「鍵盤ハーモニカ」あたりを使うべき。

その点で「ストリートピアノ」はアップライトやグランドのピアノを「公」に用意してくれる訳で「結構な身分」とも言えますが、僕自身は否定的ですが「PAスピーカーと電子ピアノを持参して路上ライブで弾き語りをやる若い女性」に比べて、「価値がある演奏」をしているのか、と言えばノーとしか言えません。

「路上ライブ」をやるような人は、「セミプロ」くらいを目指すような人が多く、自分で造ったCDを販売したりする訳で、ある程度以上の音楽レベルが期待できます。僕のようなジャズ屋からすれば認められませんが、限られた音楽知識や技法の中で、最良の音楽をやろう、と準備してきているし、よきも悪しきも「聴く人の心に届く」音楽となります。

「ストリートピアノ」での演奏にも、そういうレベルや方向性の人もおられますが、どちらかと言えば「鍵盤叩きが好き」で騒音を発する程に悦に入る、という暴走族みたいな人も少なくありません。

要するに、僕に言わせると「ストリートピアノ=ピアノの暴走族」な訳で、少なくとも行政が税金を使って推奨するような事ではない、となります。


では「ストリートピアノ」或いは「ストリートの音楽」はどうあるべきなのでしょうか?

僕は「ストリートピアノ」はピアノにとっても過酷だし、ちゃんとしたピアニストにとっても演奏に相応しい場所ではないので、無くなっても構わない、と考えます。

但し「ストリートの音楽(路上ライブ)」は活発化されても良い筈です。


行政が援助すべき「ストリート音楽」の内容

では「ストリートの音楽(路上ライブ)」、特に行政が援助するものはどうあるべきなのでしょうか?

僕は、その第一条件として「健全さ」を挙げます。バカみたいに音のデカいロックは「迷惑」ですが、ロックだろうが小音量ででき、且つ、ある程度「健全」つまり子供も大人も楽しめるものはあります。

逆に傍若無人にアンプの音量を上げ、本人は楽しいかも知れないが、大勢の人には「騒音」にしか聴こえない「パンクロック」なぞは禁止。その手のミュージシャンは甘える事なく、チケット代を分担し、どこぞのライブハウスで同好の士を相手にライブするべきです。

むしろ「マーチバンド」とか、今の時代ならば「大人も子供も楽しめるニューオリンズジャズ」、フォークソング、カントリーミュージック、民謡、クラシックの管楽器合奏なぞが良いと思います。
(写真は早稲田大学「ニューオリンズジャズクラブ」の皆さん。)
javascript:;


或いは僕自身はあまり好きではないが、「ストリートダンス」をちゃんと企画した路上イベントとして行えば「青少年の育成」とやらにも貢献できるでしょう。
(写真はご近所にある大阪中津ダンススクールワンダーさん)
javascript:;

では「ストリートピアノ」はどうあるべきなのか?

という訳で「ストリートピアノなんか無くしてしまえ!」という乱暴な結論になりましたが、「とにかく演奏したい!」という向上心は大切にしたいもの。

つまり「ストリートピアノ」を「ピアノを設置するに相応しい環境」での演奏に限定し、
その範疇の一つとして、僕のスタジオで何かできないか、と考えてみた次第です。

つづく





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:資格・学び

ストリートピアノのような事をスタジオでやろうと思います2 大阪梅田Kimball PS [ストリートピアノ]

大阪梅田にある僕のスタジオ「Kimball Piano Salon」の「レンタル練習室」を活用して「ストリートピアノのような事ができないか?」と思いつきましたが、そもそも「ストリートピアノとは何か?」と考え始めました。前回の続きです。

そもそもピアノは「ストリート」で使うようには作られていない

「ピアノ」は本来「ピアノフォルテ」つまり「弱音~強音が出せる」事に特性がありますが、「ストリートピアノ」の場合、どうしても「強音~最強音(フォルテ~フォルティシモ)」の演奏になり勝ちで、しかも最も美味しい「余韻の美しさ」を伝えれない、という傾向にあります。

時々、僕も「野外イベント」でピアノ演奏しますが、大きなイベントになれば、音響屋さんが用意した巨大なPAスピーカー(音響)設備があり、上記の「余韻の美しさ」を組み込んだ演奏を客席に届ける事がある程度可能となります(PAスピーカー自体、あまり繊細な音はしませんが。)

対してPAスピーカーが用意されていない「ストリートピアノ」の場合、、どうしてもガンガン、カンカンと鍵盤を叩きつけるような演奏になりがちで、ショパンを弾こうがモーツァルトを弾こうが「ハノン」にしか聴こえなくなり、「うるさい」とか「不愉快」とかの苦情が出たりする訳です。

勿論、一部のアニメソングなぞは「ストリートピアノによる演奏」を想定した、とは思えないにせよ、単に感情を入れて鍵盤を叩けば、それなりに聴ける、という場合もありますが、これは「ピアノ音楽」としては「異端」と呼べましょう。

尤もショパンやリスト等のクラシック系「ロマン派のピアノ音楽」の「弾くのが難しい曲」については、当時の音量の小さなピアノで広い演奏会場に演奏を届ける為に「より多くの音で埋め尽くす」、いわば「元祖ストリートピアノ」的な音楽も存在します。

流石にショパンやリスト、シューマン、ブラームスといった「楽聖」の場合、いくら音数が多かったり、和音が厚くても、音楽的な必然性があり、「名曲」と呼べるクオリティが保たれます。


伝記によれば、ショパン自身は「ロマン派のピアノ音楽」は大嫌いだったそうですが、この場合の「ロマン派」とは上記の「楽聖」達ではなく、今や忘れさせれたが、当時はショパンやリストと並ぶ「超絶技法派」で当時のパリやウィーンで人気を誇ったピアニスト/作曲家の作品を指します。

「矢鱈と派手なパッセージが連発されるが、中身は何もない」というのは「ストリートピアノ」に限らず、ピアニストが陥りがちな傾向ですが、19世紀の「ピアノ音楽の観客」だった振興ブルジョワというものは、今の「ストリートピアノ」同様に音楽的素養がなく、例えば新聞に「ピアニストの誰それはショパンの子犬のワルツを何分で弾いた=最速記録更新みたいな事が書かれてありました。

ゆっくり弾けば良い、という事は全くありませんが、音楽の本質は「何分で弾いた」ではなく、フレージングやハーモニー、全体の構成の妙や、タッチやペタリングによる音色作りにありましょう。

「子犬のワルツ」を、内容は滅茶苦茶だが、とにかく「楽譜に書かれた音を鍵盤で叩きまくた速度」を競うのだとすれば、AI等の自動演奏の速度を上げれば済みます。

勿論、ピアノ演奏を目指す人の全員が「ストリートピアノ」を目指す訳でも、また「ストリートピアノ」で演奏する全員が「鍵盤叩き」を目指す訳ではありませんが、「ストリートピアノの流行」が「音楽振興」或いは楽器メーカーや音楽教室が泣いて喜ぶ「ピアノの普及」に連なるのか、といえば、むしろ「衰退の始まり」ではないかとさえ思う次第です。

そして「ストリートピアノ」がピアノ演奏としては「異端」であるのは、そもそもピアノが「屋外(ストリート)演奏」用には作られていない事を指摘できます。

「ニューオリンズジャズ」の場合、ピアニストは屋内はピアノを、ストリートはバンジョーを弾く

「音楽演奏」には「野外演奏」に適した、或いは「野外演奏が前提」のものもあれば、「屋内演奏」に適してものもあります。

そして「野外演奏」に適した楽器があります。例えば金管楽器は交響曲のような「屋内音楽」にも用いられますが、マーチバンドのように「野外演奏」を主体とする場合に中心的役割を果たします。

ちなみに僕の出身高校である早稲田摂陵の「ウィンドバンド」は、阪急少年音楽隊を引き継ぎ程の優秀な楽団(女子のみ)ですが、金管楽器のみならず、木管楽器であるクラリネット等も加わるのは、「野外でのマーチ演奏」だけでなく、屋内の「吹奏楽のコンサート演奏」も想定しているからでしょう。

maxresdefault.jpg


トランペットの場合、顔をあげて高々と演奏する事が可能ですが、クラリネットの場合、どうしても下向きになるので「行進しながらの演奏」には不向きなようです。

それでもギリギリ「行進しながらの演奏」が可能なようですが、例えばウッドベースやピアノを抱えての演奏は不可能ですので「マーチバンド」には使われません。

屋内の「吹奏楽」ならばウッドベースの使用が可能ですが、野外でのマーチバンドの場合、ウッドベースに相当する低音を受け持つのが、体中に管を巻き付ける「スーザホン」と呼ばれる楽器です。

写真の大きな楽器
images.jpg


そういわれてみれば、以前「ニューオリンズ・ジャズ」のフェスティバルを観に行った際、ベース奏者がウッドベースとスーザホーンを持ち替えするのに驚きましたが、もう一つ驚いたのが、ピアニストが「バンジョー」と持ち替えた事です。

「ニューオリンズ・ジャズ」ではピアニストはピアノとバンジョーを持ち替えする

「ニューオリンズ・ジャズ」については、「音楽教室」の項目で詳しく書きたいと思いますが、大雑把に説明すれば、1920年代頃にシカゴで生まれた一般に「初期のジャズ」と呼ばれる音楽の一つです。
とて「ニューオリンズ・ジャズ」があります。

僕自身は「ニューオリンズ・ジャズ」の専門家ではなく、「ジャズの基礎」としてギロックやマーサ・ミアー等の「ニューオリンズ・ジャズ・スタイル」のピアノ曲集を教材として使う程度の繋がりですが、ウチのスタッフに「ニューオリンズ・ジャズ命」という人がいて、連れられたライブを観に行ったりします。

興味深いのは「ニューオリンズ・ジャズ」の場合、ピアニストがバンジョーと持ち替えたり、ベーシストがスーザホーンと持ち替えたりする事です。

僕も戯れに「鍵盤ハーモニカ」や「ジャズオルガン」を弾きますが、鍵盤ハーモニカにせよ、オルガンにせよ、ピアノと似ているのは「鍵盤がある」というだけで全く異なる楽器であり、少なくともお金を貰ってのステージで堂々と鍵盤ハーモニカやオルガンを弾こうとは思いません。

ところが「ニューオリンズ・ジャズ」のピアニストの場合、「戯れ」というよりは、いわば「ニューオリンズ・ジャズのバンドでのピアノ演奏」の「基礎」としてバンジョーを弾く、という感じ。

そういえば、「ニューオリンズ・ジャズの大御所であるトランぺッターの外山喜雄さんのバンド」の場合、ピアニストは外山夫人の恵子さんですが、恵子さんはピアノだけでなくバンジョーも演奏します。

images.jpg


外山恵子さんは、とても良いピアニストで、僕も大好きなのですが、バンジョーについても「プロ奏者」なのは、「ニューオリンズ・ジャズのバンド」の場合、「和音を刻む」役割担当として、ピアノやバンジョーを演奏する、という事になるようです。

尚、一つのコンサートでピアノとバンジョーを持ち替えする事もあるようですが、本来、「屋外」でバンジョーを、「屋内」ではピアノを演奏する、という使い方らしいです。

つまり「ニューオリンズ・ジャズ」のバンドの場合、同じメンバーであっても、
「屋外」ではバンジョーやスーザホーン
「屋内」ではピアノやウッドベース

を使い分けるようで、話を元に戻すと「ピアノ」は「屋外=ストリート」の演奏には適さない、
と言えましょう。

では、どうするべきか?(3につづく)

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:資格・学び

ストリートピアノのような事をスタジオでやろうと思います1 大阪梅田Kimball PS [ストリートピアノ]

僕のスタジオ&音楽教室であるKimball Piano Salon 大阪梅田のホームページを更新するべき原稿を書き始めています。十年近く更新しなかったので、特に「音楽教室」に関わる部分については、実際の内容とホームページの内容にズレが生じています。

逆に10年前と殆ど変わっていないのが「レンタル・ピアノ練習室」部分。

四畳半ほどの防音カプセルに米国製Kimball のグランドピアノを設置した、という仕様で、料金はお一人様一時間650円。お二人様ならば1300円、三人様ならば1900円(端数切捨て)と低料金です。
(但し「他教室の講師の方がレッスン等の業務で使用する」等の業務ご利用は一時間二千円の料金)

IMG_0450 2.jpg


ストリートピアノのような事をやろうかと

「レンタル練習室」のご利用用途として多いのが「自宅には電子ピアノしかないので、アコースティックピアノで練習したい」とか「発表会があるのでグランドピアノで練習したい」とかの「アコースティック・グランドピアノ」での練習ご用途。

その他、本番に向けての「ピアノ連弾」や「声楽やバイオリン等との伴奏合わせ」。

いずれにせよ、「本番に備えての練習」というパターンが多いようです。

では「本番」の内容は?といえば、実は詳しくお聞きした訳ではありませんが、コンクール、コンサート、ライブ等様々ですが、ソロでピアノ練習される方で案外多かったのたが「ストリートピアノ」。

「ストリートピアノで演奏を披露できるようになる為に頑張って練習する」との事。

へぇーっと思いましたが、ならば、いっそ僕のスタジオ(ピアノ練習室)で「ストリートピアノ的な事」が何かできないか?と考えてみました。

ストリートピアノの功罪?

僕自身は「ストリートピアノ」には興味がない、と言いますか、どの道「仕事としてピアノの弾く」職務があり、敢えて「ストリートピアノ」で演奏したいな、とは思っていません。

また僕の演奏は「ストリートピアノ向けの演奏スタイル」ではないだろう、と思ってますが、それでも、あるライブ演奏した帰りに、気分がハイになって事もあり、大阪駅構内にあったピアノで「ストリートピアノ」をした経験があります。

コロナが始まって間もない頃ですが、一緒にいた生徒さんが撮影して下さりましたので、この文章とリンクする為にYouTubeにアップロードしてみました。

https://youtube.com/shorts/y1_7nHNIFKs?feature=share


「普段、仕事で演奏しているスタイル」でちょっと弾いた、というだけですが、通行していた人が足を止め拍手して下さったので、なるほど「気分が好いな」とは思いました。

ところで「ストリートピアノの強者」とやらもいるそうですね。

或いは「ストリートピアノ」のバリエーションで、ヨドバシカメラ等の電子ピアノ売り場に居座って、カンカン、バンバンと弾きまくり、僕なんかの感覚では「うるさくて迷惑」という所。

僕はやった事がないが、ピアノ弾き語りやバンドで「路上ライブ」と称して演奏している人達の場合、「なるほど音楽演奏しているな」と思えますが、「ストリートピアノ」は「音楽演奏」というよりは、「ピアノの鍵盤叩き」としか思えないのが少なくないようで、感心しません。

「ストリートピアノのような事をスタジオでやろうと思います2」につづく



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:資格・学び
ストリートピアノ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。