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「ピアノもジャズも未経験」と言う方の為のジャズピアノ・メソッド [レッスン]

前回に続き。「ジャズもピアノも未経験」という方の為のジャズピアノ・レッスンのお話。

「ピアノ経験もジャズ経験もないがジャズピアノを習えますか?」というお問い合わせは、僕が主宰するKimball Piano Salon 音楽教室(大阪梅田)にも結頂きます。


以前の僕ならば「ジャズ経験は不問ですが、ピアノ経験がないのはマズイから,
先ずはピアノが弾けるようになってから来て頂けますか?」と知り合いの
「初心者対象教室」を紹介したりしました。

当時の僕が「ピアノ入門課程」の生徒さんをお請けしなかった理由は、
僕が「偉い先生(笑)」だったからでも、「多忙」だったからでも全くなく、
僕に「ピアノ入門課程を教える能力」がなかったからです。

当時の僕には「上級の生徒を教える」事は容易でも、
勝手の違う「ピアノ入門課程」を教える能力はありませんでした。

「ジャズピアノ」を志した高校生時分、
僕は他の子供より始めるのが遅かったとはいえ小学五年生から習っていた
「クラシックピアノ」の経験から、「中級程度」にはベートーヴェンや
バッハが弾けました。

その程度のピアノ技能があれば「ジャズピアノ入門」には充分だった筈ですが、
一方「ジャズ的な知識や技能」は全くありませんでした。

それでも中学校のクラブ活動での「ニューミュージック(Jポップ)のバンド」経験から、
「C7」のような簡単なコードならば即興でピアノ伴奏が弾けました。

ところがヤマハ等の楽譜屋さんで恐る恐る立ち読みした「ジャズ教則本」に出てくる
「C7♯11♭13」等の「ハイテンション・コード」はさっぱり分からず、
「G Alterd 7th Scale上にはUpper Structure traiadとしてA♭ができる」
なんて「ジャズ理論」を言われても「宇宙人の言葉」にしか思えませんでした。

更にジャズ・リズムについても分からなければ、
複雑怪奇な編曲や即興については「ホーキンス博士の論文」程に難解に思えました。

にも関わらず「ちゃんと勉強すれば習得できるだろう」と楽観できたのは、
僕に「特別な才能があった」からでは全くなく、
高校生にとっては「ジャズピアノ」にら限らず、
英語だろうか国語だろうが「その時点ではできないが、
一応、真面目に勉強すれば、将来はできるようになる筈」
課題に過ぎなかったからです。

更に種明かしをすれば、「田舎の高校生」独特の無知の強みから、
「ジャズピアノ」を趣味ではなく職業にしたい、とも思いましたが、
周囲には「ジャズピアノ」を習える先生もおらず、
そもそも「何を、どう学べばいいのか?」すら分からない。

「クラシック・ピアノ」に関しては、
今となっては効用に疑問がありますが、
ハノンやツェルニーと言う「練習曲」や、
ブルグミュラーやソナチネのような「曲集」があり、
その譜面に沿って音を出せれば「習得できた」と定められています。

ところがジャズの場合、例えば「下手糞と言われたチャーリー・パーカーやジョン・コルトレーンは、寝食を忘れての猛練習を積み重ねた結果、当代随一のアーティストになりました」的な伝記こそあれ、具体的に何を「練習」するのが記されていない。

僕も寝食やついでに学校も忘れての「練習」に没頭したいと思うものの、
「教則本」がある訳でなし、「何をどう学べばいいのか?」がよく分かりませんでした。

尤もこれは皆さんも同じですよね?

「ピアノもジャズも全く経験がない」と言う人は勿論、
「クラシックはショパン程度の経験があるが、ジャズは全く弾けない」にせよ、
「どうやって学べばいいのか?」よく分からない。

或いは「ジャズは理屈ではない、タマシイの叫びダァ」とか、
「NYで黒人とセッションをして武者修行をしてきた」とか宣う方にせよ、
いくつか理論や技術の「間違い」を指摘すると、途端に「塩をかけられたナメグジ」の如く「どうやったらいいんでしょうかぁ」なんてオロオロする。
(これ、若い頃の僕の事ですけど/汗)

「レコードコピー」してもダメ。
「理論書を読んでも」ダメ。
「市販楽譜を弾いても」ダメ。

何やっても、自分が作っているハーモニーが「正しいのかどうか」自身がないし、
リズムやアドリブなんてのも、精々、モノマネしても確証がない。

結局、兎にも角にも「バークリー音大に留学」すれば全てがバラ色に解決するのではないか、と言う幻想を抱く訳で、まぁ、実際、それも「間違ってない」にせよ、一々、
「留学」するような資金も時間もコネない、と言うのが大半の人でしょう。

そう言う僕こそが正にそれで、時間はともかく、資金とコネがなく、
ついでに言えば才能もあまりなかったが、
何とかして「ジャズピアノが弾けるようになりたい」と言う「強い想い」
と言うか「目標」を持ち続けました。

その結果、次第に「クラシックやポピュラーは弾けるがジャズは全く弾けない」と言う人の「教育」に携わり始め、その内、「一応、ライブハウスに出演してジャズをやっているが、どうも確証がない」と言う人を対象に拡大し、究極が「ピアノもジャズも経験がない人」の為の「ジャズピアノ」教育に携わる事になりました。

勿論、若い頃、できたものの、常に「本当に勉強した人が隣に並ぶとソワソワした」事の苦しさから、「なんちゃってジャズ」は厳禁!

むしろ「初歩的でも構わないから、学んだ部分に関しては、どこに出しても恥ずかしくない!」と呼べる「体系的な教育」を一貫して目指しました。

おっと、「本題」に入る筈が、例によって「前置き」だけで長くなってしまいました。

この際、僕自身の「ジャズ教育」のプロフィールを順に書く事で、
最終的な「ピアノもジャズも経験がない人の為のジャズピアノ入門」過程について、
お話しましょう。

つづく

リンクは「ジャズピアノ・レッスン」で用いるLee Evansの教材の一つ。

Kimball Piano Salon 音楽教室 主宰/藤井一成
大阪市北区豊崎3-10-2 I&F梅田ビル705 (梅田芸術劇場北向かい)
電話 0705-438-5371 http://www016.upp.so-net.ne.jp/kimball/Kimball_Piano_Salon


Jazz Piano Scales and Exercises: An Engaging Way to Practice Scale Patterns and Etudes While Learning Jazz

Jazz Piano Scales and Exercises: An Engaging Way to Practice Scale Patterns and Etudes While Learning Jazz

  • 作者: Lee Evans
  • 出版社/メーカー: Hal Leonard Corp
  • 発売日: 2018/10/01
  • メディア: ペーパーバック



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