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ジャズピアノの「教育」や「メカニカル・トレーニング」の是非 [レッスン]

前回は「本物のポピュラーピアノ」や「Lounge Jazz」の話に脱線してしまいましたが、
再び「どうやればジャズピアノを習得できるのか?」についての話を戻しましょう!

尤も僕自身の「どうやって僕はジャズピアノを習得したのか?」と言う
「誰も聞きたくない自伝(笑)」になりますが、その点はご寛容の程を(汗)

(前々回の話)

1980年代初頭、僕はクラシック系音大に通いつつ、学べる場がなかったので、
僕は「ジャズピアノ」の「独学」を余儀なくされました。

それで「ジャズ理論」のバイブルと言われた「渡辺貞夫著/Jazz Study」や
「ジャズピアノ」のバイブル「藤井貞泰著/Comtemporary Jazz Piano」を
買い込むものの、最初の1ベージも理解できず挫折。

「やはり身の丈に合った教材が必要だ」を探した結果、僕が高校生時代に出版され、
早速に僕も購入していた「ジャズ教育家」であられる坂本輝先生著
「レッツ・プレイ・ジャズピアノ」シリーズに再び注目。

これこそ僕には最適な「メソッド」だなと思うた次第でした。

「教育概念」「メカニカルな課題」「本物のジャズハーモニー」が  画期的だった「坂本輝メソッド」

当時の僕は、坂本輝先生の「メソッド」である画期的な教材、
音楽の友社「レッツ・プレイ・ジャズピアノ」シリーズは、
三つの点で、惚れ込んでおりました。

坂本メソッドの特徴/「ジャズ教育」という概念

当時に限らず、現在も、「そもそもジャズは学ぶものか?」とか
「教えたり、教えられたいできるものか?」という質問が僕にも届きます。

「ジャズやブルースは黒人奴隷の苦しみが産んだぁ」
「ジャズ即興は感性でやるものだ。勉強すると感性がなくなるぅ!」
「日本人にはジャズはできない。NYで黒人と生活しなければ駄目だぁ!」
等々の妄言は今よりも更にひどかったように記憶してます。

尤も当時の僕は、高校を卒業し、田舎の音大に通う18歳の子供でしたが、
それでも、色々な大人のミュージシャンが、
こんな「原住民」レベルの迷信に囚われているのが、信じられない思いでした。

或いは、精々「レコードをコピーし、真似して弾く」という
「現地人」レベルの習得法が一般的でした。

そんな事では駄目だと確信したのは、
僕がクラシック系音大の作曲科の学生だった、からでしょう。

と言っても別段、作曲科の学生だから変なエリート意識から、
ジャズを見下していた、という意味では全くありません。

実は僕が作曲科に進学したのは、
「クラシックの作曲家」になりたかった訳でなく、
「ジャズピアニスト」が「目標」であり、
その為に必要な「音楽理論」が作曲科だと学べる筈だ、
と考えたからです。

まぁ、少しくらいは「クラシックの作曲家」にも憧れましたけどね。

問題は「作曲の勉強」が予測していたものとまるで違った事。

僕は作曲科への進学の為に高校二年生から、
専門の先生の元で勉強を始めました。

実は「作曲のレッスン」と言うから、
僕がなにやら五線紙に書きつけていた「曲」を、
先生が「芸術性」について批評してくれのか、
と想像していたが、全く違いました。

「作曲のサの字」もなく、レッスンは「和声学」やら「対位法」を、
「教科書」に従って学ぶだけ。

この「和声学」というのが、「定理」やら「禁則」やらが並ぶ、
まるで数学の勉強みたいな課題でして、これを短くてもも二年位は勉強しなければ駄目だ、
との事。

それで「和声学」のレッスンに通い始めて判明した事は、
僕に「隠れていた作曲の才能があった」のでは全くなく、
「基礎的な楽典やソルフェージュの知識が欠落している」点だけ。

多分、当時の先生は「原住民」に「西洋文明」を教えるような
「絶望感」を持たれた筈だろうし、殆ど毎回、
「こんな事も知らないのか! バカヤロー!」と怒鳴りつけられました。

それで毎回、マンツーマンで怒鳴りつけられから、変な耐性ができ、
それまで高校では、あらゆる生徒が敬遠するような怖い先生の、
集団に対する怒鳴り声なんか平気になりました。

だからと言って「和声学」の理解が高まった訳ではありませんが、
怒鳴られようなが、諦められようが、気にもせずに通う内、
段々と「和声学」が理解できるようになりました。

まぁ、物凄く劣等な学生であった事は確かですが、
「真面目に勉強や練習を続ければ、何とかできるようになる」
という点は確信するようになりました。

ですから「ジャズピアノ」も同じように、
「誰にでも共用できる知識や技術」と言うものがある筈で、
それを的確に習得すれば誰でも「ジャズピアノ」も弾けるようになる筈、と考えました。

そして坂本輝先生の「メソッド」については、
正にそいう考え方で構築していたから、
僕には坂本輝先生を追い始めます。

坂本メソッドの特徴2「メカニカル・トレーニング」の充実

「ジャズピアノ習得」についての色々な人ず異口同音に発する疑問は、 「何を練習すれば効果的なのか解らない」という点でした。

告白すれば、音大生時分の僕は、勉強はあまりせず、
友人との勝手な「芸術論(?)」の論戦に明け暮れていましたが、
勿論、それでは一ミリも進歩も振り得ず、
「人生にも失敗」してしまうでしょう。

救いは、毎日、何時間かはピアノを「練習」していた事。

尤も「練習」と言っても、「ハノン」全曲を二時間半位弾くだけか、
加えて一時間位弾くだけでしたが。

それでも、ピアノを始めた年齢が10歳と遅かった、つまりは、
「指が動かない」という劣等感から脱却する為に、
毎日二時間半の「ハノンの練習」を続けた事は多分有効だったでしょう。

問題は「ジャズピアノ」で、クラシックのハノンやツェルニーに相当する「教材」、
或いは「練習課題」がなかった事です。

「毎日、ハノンを続ければ、指が動くようのと同様の効果がある、
「ジャズのハノン」のようなものがある筈だと考えました。

「坂本メソッド」には、こういう「ジャズのメカニカル練習方法」が多数、
用意されておりました。

実は、18才から気合いを入れて「ジャズピアノ」習得の勉強を始めたつもりでしたが、
「坂本メソッド」の「メカニカル」課題に取り掛かったのは、
更に数年を経た二十代半ばの頃です。

尤も、それまの結果、それまで弾けなかった事が楽に弾けるようになったり、
或いは「G#️⃣m7 ♭5」なんて言われても即座に弾けなかったのが、
問題なく弾けるようになりました。

そういう意味では「効果の出た」練習が膨大な量があった訳です。

但し、誤解ないように申しますと、現在の僕は、
この手の「メカニカル練習」をやりませんし、
お弟子さんにも進めません。

今の僕は「坂本メソッド」とは相当に考え方が異なり、
別なメソッドを採用しています。

とは云え、僕自身が若い頃に「坂本メソッド」を使ったはの良かったのかどうか不明。

その辺りについては、別な日にお話ししましょう。

なんて言いつつ、時間がすぎました。次回は「坂本メソッド」の肝心要である、
「坂本メソッド」の特徴3/ 本物のジャズ等を楽しむ会もあります、というか、
これらの異なるきサウンドが味わため。

なんて論議しつつ、今日は筆を起き、続きは次回!
「坂本輝メソッド」の三番目の特徴「本物のジャズコード」があった、に写りましをょう。

つづく

大阪芸術劇場北向かい Kimball Piano Salon音楽教室主宰/藤井一成
Lounge Jazz ピアノ科/ボーカル科 生徒募集中。
無量体験レッスンのお問い合わせは、
電話070-5438-0072かメールで、
http://www.eonet.ne.jp/~pianosalon(2021年2月からの新URLです)
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うちは大阪梅田にある「Lounge Jazz」の音楽教室です! と言える訳 [レッスン]

前回「ポピュラーピアノ」と一口に言っても「日本によくあるインチキなもの」と
「本物」とは全く別物だ!というお話をしました。

「本物」のポピュラーピアノの代表としてカーメン・キャバレロや
キャバレロがお手本にしたエディ・デューチン、更にそのお手本である
ガーシュインについても少しお話した通りです。

日本では「ジャズ」と言えば「1950〜60年代のモダンジャズ」を指しますが、
上記の「ポピュラーピアノ」は一世代前の「1920〜30年代のスゥイグ・ジャズ」
を基調とします。

皆さんは「ジャズピアノを学びたい」とお思いかも知れませんが、
闇雲に現在進行形のジャズを「真似」するだけではダメ!なんです。

それらの「原点」を識り、「基礎」として習得する事で
例え初級であろうが、否むしろ初級であるからこそ、
「本物」に近づく唯一の道である事をご理解頂きたいものです。

結局、日本の「インチキ・ポピュラーピアノ」も「なんちゃってジャズピアノ」も、
何らかの進歩には結びつかない「時間の浪費」と言えましょう。

ところで「1920〜30年代のガーシュイン〜スゥィグ・ジャズ」から派生したのが、
カーメン・キャバレロやエディ・デューチン等の「ポピュラーピアノ」の主流ですが、
「1950〜60年代のモダンジャズ」を基調とする「ポピュラー」もちゃんとあります。

うちの教室も勿論「モダンジャズ」のコースはありますが‥

早い話、僕が大阪梅田で開いてる「Kimball Piano Salon」音楽教室は、
他に類のない上記の「ガーシュイン・ジャズ〜スゥイング・ジャズ」のコースがありますが、
日本での「ジャズ」を指す「モダンジャズ」のコースも勿論あります。

そもそも僕自身、本来は「モダンジャズ」系の演奏家なのですから。

但し、加えて狭義の「(モダン)ジャズ」、つまりはライブハウスでの

セッションを目的とするスタイルと共に、稲森泰利先生が定義された「ジャズ・スタイルのポピュラー」のコースも設けています。

僕達はこのスタイルを「Lounge Jazz」と称していますが、
僕のみるところ、レッスンに来られる生徒さんの大部分は、
セッション「ジャズ」よりも「Lounge Jazz」の方が合うように思います。

なんて事をお話していると元の話題であった「ピアノもジャズも経験がない人の為のジャズピアノ」
レッスンの話や、その教材の一つである「坂本輝先生著/レッツ・プレイ・ジャズピアノ」
からは脱線する一方ですが、今日は「Lounge Jazz」についてお話ししましょう

ジャズメンによる「ポピュラー」が「Lounge Jazz」

前回「狭義のジャズ」の定義として「楽器による即興演奏」としました。
対して「ポピュラー」とは大雑把に言えば、歌手による「流行歌」だと言いました。

尤も1950年代半ば頃まで両者は離れていた訳でなく、
全米でヒットする「流行歌」自体が「ジャズ・サウンド」で伴奏され、
又、ジャズメンは、それらの「流行歌」を、トランペットやピアノ等の器楽として、
「即興演奏」で「カバー」しました。

「ジャズ」と「ポピュラー」の圧倒的な違いは「アドリブ」と称する「即興演奏」の
割合にあります。

元々は20世紀の半ば頃までは「クラシック」だって「即興演奏」していた訳ですが、
「ポピュラー」同様、基本的に楽譜による「編曲」が決まっているので、
その割合もあまり高くありませんでした。

「ジャズ」の「即興演奏」が発展したのは、演奏の現場であるバーやクラブでは、
客席等が極めて流動的であり、その場その場で、曲を引き伸ばしたり、盛り上げたり、
静かにしたり、という事が求められたからでしょう。

加えて「アドリブ」自体を楽しみたい観客が育った、という事も「ジャズ」の発展に影響しますが、
やはり「原曲」を楽しみたい、という観客も少なくありません。

そういう要望に応え、チャーリー・パーカーやクリフォード・ブラウン等の
「一流のジャズメン」が「アドリブ」ではなく、
「原曲」のメロディーした前述の「Lounge Jazz」
スタイルの演奏やレコード録音を遺しています。


一流ジャズメンが「Lounge Jazz」を録音する理由

ところで本来僕は「ジャズピアニスト」ですが、
ジャズが弾けないクラシック系の人と話ていると
「即興演奏ができるなんて凄いですね!」なんて言われる事があります。

正直言って「即興演奏」自体は別段大した事ではなく、
色々な音楽ジャンルがある中で、たまたま「クラシック」が
「楽譜を再現する」事から始めるから、
「即興演奏」ができない人が大部分を占め、「即興演奏」を特別な事かと信じられています。

尤も「クラシック」以外のロックやフォーク、ポップスの場合、楽譜が読めない、
とか、楽譜自体が存在しないから、耳で聞き覚えた「即興演奏」で音楽として成立させる、
という風に育ちます。

楽譜(作曲家や編曲家)に頼らないから生き生きと演奏できる、とも言えますが、
極めて狭い手癖の中で、ワンパターンな退屈な演奏しかできない人も少なくなく、
やはり「楽譜を通して学ぶ」というルートも持つべきだと思います。

ショパンやベートーヴェン、バッハ、ブラームス等も「ジャズピアニスト」だった?

ところで「クラシック」だって、少なくともショパンやリストの時代は
「即興演奏」が当然で、「即興演奏」がなくなったのは、
精々、第二次世界大戦後の話なんです。

それ以前は「音大を首席で卒業し、何々コンクールに優勝」なんて事は問われず、
単純に言って「演奏家」としての人気や力量が、より多くの観客を得る条件でした。

例えばワルター・ギーゼンキングのような「ドイツ・ピアノ界の巨匠」や、
アルトゥール・ルービンシュタインのように「ショパンの巨匠」さえ、
学校教育はあまり無く、コンクール歴もなく、若い頃はカフェで「ジャズ」を
即興演奏して過ごす内に、段々とクラシックのコンサート・ピアニストとして
活躍できるようになった、という経歴の持ち主です。

ショパンやベートーヴェン、バッハ、ブラームス等の「大作曲家の巨匠」の大部分が、
生前は、むしろ「即興演奏」のスターとして有名でしたが、
楽譜に書き残した「作品」が沢山あるのは何故でしょうか?

一つの理由は、当時は例えば「ショパンの音楽が素晴らしい!」という噂を耳にしたとて、
録音も放送もなく、外国や違う地域の人たちは、ショパン本人が演奏旅行でもしない限り、
「ショパンの音楽」を実際に聴くことは叶いませんでした。

その場合に「ショパンの音楽」をある程度伝える手段だったのが「楽譜」でした。

つまり「楽譜」とは、それを売って稼ごうという商業的理由と共に、
実演を聴けない人にも、「自分の音楽を伝える手段」でもあった訳です。

逆に言えば20世紀半ば以後は、楽譜ではなく、
「録音」によって「ジャズメン」達が「自分の音楽を伝える」事ができるようになります。

但し、その場の観客の反応で伸び縮みする「ジャズの現場」と違い、
「録音」され、繰り返し聴かれる事になるレコード(CD)の場合、
「対談」が編集されてこそ「読み易く」なるのと同様に、
いわば「編集」されたような演奏の方が適する、と言えます。

或いは「集団即興演奏」が本筋である「ジャズ」の場合、
ステージの目立つ所に立っている管楽器奏者ばかりでなく、
ベースやピアノ、ギター、ドラムス等のいわば「裏方」にも「出番」というか
「即興演奏」する機会を与えねばなりません。

勿論、バンドのメンバー全員が「即興」する事を楽しめればいいのですが、
表に立つトランペットしか聴かない観客も少なくありません。

観客が聴く、聴かないに関わらず、他のメンバーの力量によって
表に立つトランペット奏者なりの演奏が大きく変わる訳ですけれども。

しかし、この際、表に立つ演奏者にマトを当て、加えて「アドリブ」ではなく、
「原曲」の歌わせ方に力点を置いた「録音」もあってもいいな、と色々な人が考えました。

それが「一流のモダンジャズ奏者」による「ポピュラー」即ち「Lounge Jazz」となります。

マイルス・デイビスやビル・エバンスも「Lounge Jazz」の名盤を録音

さて「Lounge Jazz」の名盤レコード(CD)ですが、
チャーリー・パーカーやクリフオード・ブラウンの他、
ピアノではオスカー・ピーターソン、ビル・エバンス等が、
その他の楽器ではマイルス・デイビスやウェス・モンゴメリー等の
「一流ジャズメン」が「Lounge Jazz」の名盤を残しています。

大体が「ストリングス伴奏」付きで「甘いバラード」を切々と歌い上げる、
或いは、ミディアム・テンポで心地よくスゥイングする、という演奏が多いようです。

少し聴いてみましょう。

チャーリー・パーカーwith Strings
https://youtu.be/mmm9u8dPU4A

これは「モダンジャズ」の開祖であり「アドリブの天才」チャーリー・パーカーが
「ストリングス伴奏」で「流行歌」を演奏したものですが、
あからさまな「アドリブ」こそ少ないものの、メロディを少し変えたり、
リズムを変えたりで、何より「変奏」が巧いし、
音楽的にも案外にパーカーの個性がよく見える、という名盤です。


マイルス・デイビス&ギル・エバンス楽団/クワイエット・ナイト
https://youtu.be/PnCg05hrBWs

「ジャズの帝王」マイルス・デイビスと「ジャズの鬼才」ギル・エバンスの
合作ともなれば、やはり、物凄く深い、というか、難解な部分も出てきますが、
全体としては、当時大流行した「ボサノバ」風のサウンド。

実は、この「クワイエット・ナイト」はマイルス本人も「失敗作」だと切り捨てたようですが、「Lounge Jazz」として捉えると、やはり「極上の一本」となります。


ビル・エバンス/From Left to Right
https://youtu.be/BHRlxefKT_o

これは「ジャズピアノの改革者」ビル・エバンスが「ミッシェル・ルグラン指揮の
オーケストラ」と共演した、「ジャズファン」が無視したいが、
「Lounge Jazz」として第1級の作品。

エバンスは当時の時流に乗り「エレクトリック・ピアノ」を
「スタインウェイのグランドピアノ」と共に併用。「
Lounge Jazz」としては極上の一枚ですが、エバンスの作品として考えると、
ちょっと軽いかな、と思います。

ウエス・モンゴメリー/A Day in the Life
https://youtu.be/sjHiSePn1ts

ウエスは本来は「ジャズ・セッション」の名手であり、
「ジャズギター」の改革者でもありますが、
若くして亡くなった晩年は盛んに「Lounge Jazz」を録音しています。

ただ時代の関係か、伴奏は「ロック・ポップス」風。

これら等の「一流ジャズメン」による「Lounge Jazz」の録音レコード(CD)は、
日本では「一流ジャズメンが演奏している」という理由から、
当たり前のように「ジャズ」として扱われますが、
本来は狭義の「ジャズ」ではなく「ポピュラー(Lounge Jazz)」に分類すべきでしょう。

おまけ/僕による「Lounge Jazz」のレッスン風景
https://youtu.be/B0r1q39nTbs


*大阪梅田の「Lounge Jazz」の音楽教室です!

今回、改めて「一流ジャズメン」による「ポピュラー」、
即ち「Lounge Jazz」を聴き直して感じた事は、
やはり「一流のジャズ」をやっているな、という事。

逆に言えば「良質のLounge Jazz」をやるには、
「基礎」である「モダンジャズ」をちゃんと習得しなければならない。

そして「モダンジャズ」をちゃんと習得すれば、
「Lounge Jazz」に限らず、ライブハウスでの「セッション・ジャズ」
にも参加できます。従って僕の教室は、前述のように「スゥイング・ジャズ」や
「ニューオリンズ・ジャズ」
にも力を入れ、また「モダンジャズ」のセッションにも対抗できる能力を養成しますが、
「Lounge Jazz」にも力を入れています。

むしろ「うちはLounge Jazzの音楽教室です!」とさえ言えるくらい。

という訳で、漸く「モダンジャズ」の習得の話、
つまりは坂本輝先生の「レッツ・プレイ・ジャズピアノ」シリーズを、
僕がどういう具合に活用したか?というついてお話できます。

つづく

大阪梅田芸術劇場北向かい 電話(0705)438-5371
メールでのお問い合わせは
http://www.eonet.ne.jp/~pianosalon(2021年2月からの新URL)
リンクはマイルス・デイビスによる「Lounge Jazz」の名盤
「クワイエット・ナイト」


クワイエット・ナイト+1


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「ガーシュイン・ジャズ」に基づく「ポピュラーピアノ」レッスン [レッスン]

前回はクラシック系音大に通いつつ、「ジャズピアノ」を独学しようとした僕が、
「ジャズ初心者」に最適な教材として坂本輝先生の「レッス・プレイ・ジャズピアノ」
シリーズを使い始めた、という話をしました。

「レッツ・プレイ〜」が画期的だったのは、
今となっては当たり前だけれども、
当時は少数派だった「ジャズ教育」という概念を提唱した事。

「ジャズは感性でやるもの」とか「ジャズは学ぶものではない慣れるもの」
「コビーして真似をすればできるようになる」等の「文盲」が当時の常識。

そうではなく「読む」「書く」「弾く」をバランスした勉強や練習を続ける事が、
唯一「ジャズピアノが弾けるようになる方法」だと提唱した訳ですから痛快でした。

画期的だったもう一点は、「ジャズ初心者向け」教材ながら、
「ジャズ・スタイル」のサウンドで編曲されていた事です。

何をもって「ジャズ・スタイル」と呼ぶのかについては人様々でしょうが、
1980年頃の大阪の楽譜屋さんで購入できた「初心者向けジャズ・ピアノ教材」の殆どが、
「ジャズ」とは呼べない「インチキ」な代物でした。

以前、別な所にも書きましたが、
例えば「ギロック」や「リー・エバンス」等の「初心者向け教材」は、
いわゆる「モダンジャズ」のスタイルでは作曲されていないので、
「ジャズ」ではないと宣う御仁もおられます。

そうではなく、「ギロック」は1920年代の「ニューオリンズ・ジャズ」で、
「リー・エバンス」は「ティンパンアレイ」等の「初期ジャズ」の、
それぞれ「正統的なスタイル」で作曲している訳です。

(ちなみに「リー・エバンス」が本領を発揮するのは、
彼がデビューした1960年代の「モードジャズ」でですが)

それらと僕がティーンの時に購入した「ジャズ名曲集」は本質的に異なり、
表紙や挿絵にはマル・ウオルドロンやウィントン・ケリーと言った
「ジャズピアノの巨匠」の写真が用いられ、
いかにも「モダンジャズ」のピアノ編曲本という装丁とタイトル。

それで「今度こそは」と期待して家に帰ってピアノで弾くと、これが
全然「ジャズ」ではない、初歩的な「三和音」による、
精々「ポピュラー・ピアノ」と呼ばれる代物だったんですね。

今の僕ならば、譜面をチラッと見れば、それが「ジャズ」なのか、
「ポピュラー」なのかは判断できますが、当時は実際に弾いてみる迄、
判別が付かない程に僕は無知だった訳です。

「歌謡曲調ポビュラーピアノ」と「本物のポピュラーピアノ」は別物

ところで「ポピュラーピアノ」の話が出ましたので、
「ジャズピアノ入門」の話からは全然脱線するのと、
大阪梅田で展開している僕の「ジャズピアノ教室」の内容と無関係ではないので、
今日は誤解なきよう「ポピュラー・ピアノ」についてお話ししましょう。

そもそも「ジャズ」と「ポピュラー」とは、どう違うのか?
という事もご存知でない方もおられましょうから、
説明しますと実は「ジャズ」は「ポピュラー」の一瞬とも言えます。

即ちジャズのみでなく、ロックやフォーク、ラテン等をひっくるめて、
いわゆる「クラシック」とは別な音楽として「ポピュラー」とも呼びます。

但し、ここでいう「ポピュラーピアノ」は「ジャズピアノ」と
異なる、しかし正統性のある音楽スタイルを意味します。

狭義の「ジャズ」とはボーカルではない、楽器によって、
「即興演奏」を主体とする音楽となります。

対してここでいう(狭義の)「ポピュラー」は翻訳すると「流行歌」となり、
ボーカル主体で、「編曲された合奏」による伴奏がつきます。

従ってドリス・ディやフランク・シナトラ等の大歌手も、
ここでは「ポピュラー」という分類になります。

ちょっとドリス・ディを聴いてみましょう。

moon glow/Doris Day
https://youtu.be/-qlbOlXKaQ0

いかがでしたか如何にも「ジャズっぽい」サウンドだと思いませんか?

しかし、これは前述の定義に因れば狭義の「ジャズ」ではなく、
「ポピュラー」に分類されます。

ところで、後年、僕は「日本を代表するジャズ教育家」であられる
稲森泰利先生の教材に出会い、私淑という形で、10年くらいかけ、
稲森先生の全教材と全編曲を一応の習得する事になります。

そういう意味で相当に影響を受けた稲森先生の教材ですが、
稲森先生の「メソッド」には、狭義の「ジャズピアノ」と共に、
稲森先生の命名では、「ジャズ・スタイルのポピュラー・ピアノ」と
呼ばれるスタイルが存在しました。

この稲森先生が定義〜命名の「ジャズ・スタイルのポピュラー」とは、
上記の「ポピュラー」であり、実は、これこそが「本物のポピュラー・ピアノ」なのです。

これは日本でいえばホステスさんがいるような「ラウンジ」やレストラン等でBGM演奏される、
気色の悪い「歌謡曲調ポピュラー」とは全く別物となります。

ポピュラーピアノの偉人カーメン・キャバレロ

「本物のポピュラーピアノ」、つまりは稲森先生が定義された
「ジャズスタイルのポピュラーピアノ」と言えば、
僕は「愛情物語」が大ヒットして「カーメン・キャバレロ」を思い出しますので、
一寸聴いてみましょう。

カーメン・キャバレロの来日公演
https://youtu.be/T94GO34aTC4

ちなみに映画「愛情物語」の原題は「エディ・デューチン物語」で、
エディ・デューチンの伝記なのですが、第二次世界大戦前〜戦中にかけて
活躍してデューチンのレコードは日本には入らなかったので、
日本ではデューチンの名前は殆どの知られていません。

しかし映画「愛情物語(エディ・デューチン物語)」でエディ役を演じた
カーメン・キャバレロの演奏スタイルは、実は殆どデューチンから
受け継がれたものなのです。

忘れてはならないエディ・デューチンの功績

デューチンの演奏を聴いてみましょう。
デューチンのソロピアノでスタンダード名曲
https://youtu.be/ybG7IHH-euk

確かにエディ・デューチンのスタイルには、
日本で「ジャズ」を意味する「モダンジャズ」の影響はありません。

なぜならばデューチンの時代には「モダンジャズ」は未だ生まれなかったからです!

しかし「スゥイング・ジャズ」の全盛期であり、
デューチンの楽団はやはり「スゥイング・ジャズ」スタイルを取ります。
https://youtu.be/akPhfmRM-v8

但し「ジャズ」に詳しい方ならば「スゥイング・ジャズ」で有名な、
ベニー・グッドマンやカウント・ベイシー、デュークエリントン等の楽団と、
エディ・デューチン楽団の雰囲気は微妙に異なる事に気づくと思います。

ガーシュイン/ポールホワイトマンからの継承

しかし、これはデューチン楽団が悪いからではなく、
1920年代に「ジャズの王様」と呼ばれた
ガーシュイン&ポール・ホワイトマン楽団がこういう雰囲気だったからです。

ガーシュイン/ホワイトマン楽団による「ラプソディ・イン・ブルー」
https://youtu.be/oadzppD9Rv8

「なんだかクラシックみたいな雰囲気だな」と思われるかも知れませんが、
そもそもホワイトマン自身「クラシックのバイオリン奏者」であり、
またガーシュインも狭義の「ジャズピアニスト」ではありません。

しかし彼等が「ジャズを創生」した一人であった事は確かであり、
後のカウント・ベイシーやデューク・エリントンにも影響を与えていますが、
ある意味、ホワイトマンはエリントンよりも「スゥイングしてない」とも言えます。

これがホワイトマンが劣った、という意味ではなく、
基本的に「ダンスの音楽」という位置付けがあり、
エリントンよりもホワイトマン楽団の方が、
一般の米国白人には「踊りやすかった」とも言えましょう。

ガーシュイン・ジャズの正当性を引き継いだのが「ポピュラーピアノ」

ところでエディ・デューチンですが、
ガーシュイン/ホワイトマン楽団直系の「ジャズ」を正統に受け継ぎ、
独自の発展をさせた訳ですが、それを更に発展させたのが
カーメン・キャバレロです。

何れにせよ「ガーシュイン・ジャズ」という「基礎」があるのが、
カーメン・キャバレロつまりは「本物のポピュラー・ピアノ」と言えましょう。

これも別な機会にお話ししますが、僕の大阪梅田にある「Kimball Piano Salon」音楽教室
には「モダンジャズ」ではない、「ガーシュイン・ジャズ」を専門に学びコースがあります。

どちらかと言えば「クラシックピアノ経験が長く」しかし「ジャズ経験は皆無」という方を
対象としますが、元々の話であって「ピアノもジャズも経験がない」方が、
この「ガーシュイン・ジャズ」を目指した場合、「初級」としては何を学ぶべきか?

これは、やはり1920年代の「初期ジャズ(ガーシュイン・ジャズ)」のスタイルで作曲された
「リー・エバンス」等の教則本でピアノとジャズを学ぶべきなのです。

或いは「本物のポピュラー・ピアノ」を目指される方も、
「日本の歌謡曲」ではなく、「ガーシュイン・ジャズ」の基礎から学ぶべきなのです。

ところで稲森泰利先生が定義された「ジャズ・スタイルのポピュラーピアノ」ですが、
ややこしい話ですが、カーメン・キャバレロに代表される「ガーシュイン・ジャズ」
を基調とすると共に、1950年代の「モダンジャズ」を基調にする物とかあります。

実は僕の教室では前者を「ガーシュイン・ジャズ」とか「ポピュラーピアノ」と呼び、
後者を「Lounge Jazz」と呼んでいます。

次回は「Lounge Jazz」についてお話ししましょう。

PS;それにしても「坂本輝先生のレッツ・プレイ・ジャズピアノ」シリーズの話から、
というかそもそもの「ピアノもジャズも経験がない人の為のジャズピアノ」レッスンとは、
どんどん離れてしまってますねぇ。悪しからず。

リンクは稲森泰利先生の「ポピュラーピアノ」教則本

大阪梅田芸術劇場北向かい Kimball Piano Salon 音楽教室 主宰 藤井一成
http://www.eonet.ne.jp/~pianosalon(2021年2月からの新URL)


ポピュラーピアノ奏法 2 高度な演奏技法とアレンジ [単行本]

ポピュラーピアノ奏法 2 高度な演奏技法とアレンジ [単行本]

  • 作者: 稲森 康利
  • 出版社/メーカー: 中央アート出版社
  • 発売日: 2008/11/19
  • メディア: 楽譜



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坂本輝「レッッ・プレイ・ジャズピアノ」が独学の始まりでした [レッスン]

前回は「ジャズピアノの基礎」の習得について実感を持って頂く為に、
事例として僕自身の経験を書いている所でした。

考えてみれば「習得」については随分遠回りしましたが、
その事は「ジャズ演奏者」としての僕にはマイナスでしたが、
「ジャズ教育者」としての僕には「財産」となりました。

色々な「ジャズ・メソッド」を体験したのですから。

ところで前回は、僕が「ジャズの基礎であるクラシック」を学ぶ為に、
クラシック系音大作曲科に進学する傍ら「ジャズ独学」を始めた、というお話をしました。

今日はその続き。

坂本輝先生の「レッツ・プレイ・ジャズ」シリーズが師匠?

ジャズピアノの「独学を目指した」と言うか、他にやりようがなかった僕は、
当時「ジャズ理論のバイブル」と言われた渡辺貞夫先生の「Jazz Study」や
藤井貞泰先生の「コンテンポラリー・ジャズピアノ」をヤマハで買い込みました。

「ジャズ理論」や「ジャズピアノ奏法」を独学しようと考えたわけですが、
これらの名著は「ある程度以上のジャズの基礎」がある人が対象だったせいか、
当時の僕には1ページも理解できず、折角購入しても到底使えませんでした。

かと言ってボヤボヤもしてられないので、
「少しくらいは理解できそうな教材」を探した所、
新たに購入するまでもなく、
僕が高校生の時に出版され、僕も即購入した
坂本輝先生の「レッツ・プレイ・ジャズピアノ」シリーズが良いと分かりました。

坂本輝先生は渡辺貞夫先生や藤井貞泰先生よりは一世代若い「ジャズ教育家」で、
坂本先生の「レッツ・プレイ・ジャズピアノ」シリーズは、ある意味、
「日本のジャズ教育」を変えた、とも言える画期的な教材でした。

「レッツ・プレイ・ジャズピアノ」シリーズが画期的だった

「レッツ・プレイ」が画期的だったのは、何よりも、
当時の日本になかった「ジャズ教育」と言う概念を提唱した点です。

「ジャズは感性だ!」「黒人の苦しみがブルースやジャズを産んだ!」
「ジャズは習うものではない慣れろ!」等の妄言が当たり前のように信じらていたのですから。

まことしやかに「外人には歌舞伎は解りませんね。同様に日本人にはジャズはできません。
もしジャズを学びたければNYに住み黒人と生活をせねばなりません」などと吐かす、
「原住民」は少なくなかったし、今でもいるでしょう。

僕は田舎の音大に通う18才の子供だっけれども、
それらのたわ言に付き合う気は更々なく、
「ジャズやクラシックと言った所で、いわば英語やドイツ語の習得同様に、
日本人だろうが理論的に学べる筈」位の事は判りました。

そもそも「Jazz Study」を著べられた渡辺貞夫先生は、
1970年代の日本で実力、人気共にナンバーワンの
ジャズ・ミュージシャン。

1960年代に日本人としては三人目となる「米国バークリー音楽院留学」、
帰国後は「バークリーメソッド」による「ジャズ教育」を推進し、
山下洋輔、菊地雅章、本田竹広、鈴木義雄等の「国際的アーティスト」を輩出。

つまりは一流プロの世界でこそ、「ジャズはクラシック同様に体系的な理論と技術で学べる部分が多い」事だったにも関わらず、底辺にいる「原住民」は「ジャズは理屈じゃないっ! 黒人の悲しみが作り出したんだぁ!」式の「本来の意味」は到底理解できず、上っ面の言葉だけを振り回していた訳です。


坂本輝先生の「レッツ・プレイ・ジャズピアノ」シリーズが「原住民」の妄言について述べられていた訳ではありませんが、「ジャズは勉強しなければできるようにならない」と言う
当たり前のことを、具体的な「練習課題」と共に説かれた訳で、やはり「偉業」でしょう。


実を言えば、今の僕はバリー・ハリス氏のメソッドを根本に持ちますから、
「バークリー・メソッド」や、そこから派生している渡辺貞夫や坂本輝両先生の
メソッドとは別な考え方を持ちます。

しかし渡辺先生が提示し、坂本先生が「初心者向け」に降ろし、発展させられた
「読む」「書く」「弾く」をバランスした「ジャズの学び方」は僕自身の
「ジャズ教育」の岩盤として根を下ろしています。
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次回「ジャズ」と称して「ジャズ」でない「インチキ編曲集」に泣く、につづく

Kimball Piano Salon 音楽教室主宰 藤井一成 電話0705-438- 5371
http://www.eonet.ne.jp/~pianosalon(2021年2月からの新URL)
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クラシックの基礎がなかったからジャズでも苦労した、というお話し [レッスン]

「ピアノもジャズも経験がない」という人の為の「ジャズピアノ」入門
についてお話ししてましたが前回も話が脱線。

「そもそもジャズは習うものか?」という話題になり、
話の行き掛かり上、僕自身の経験を書き始めました。

‥高校生の僕は「ジャズピアニスト」を目指すべく、 「ジャズを勉強」したい、と願った。

しかし1970年代後半の大阪には、
「ジャズ学校」はなく、「米国バークリー音大留学」なぞ、
当時の感覚では「宇宙旅行」程に非現実な話。

結局、田舎の高校生なりに、
「ジャズの基礎はクラシックだ」と考え、
「クラシック系音大の作曲科」を目指しての受験勉強開始。

だから入学後、受験勉強から解放された時点から、
それまで我慢していた「ジャズの勉強」に取り掛かかるべき、
梅田のヤマハへ「ジャズ理論書」「ジャズピアノ教本」を買いに行きます。

結局、当時の日本のジャズ教材の「バイブル」と呼べるべき、
「渡辺貞夫著/Jazz Study」や「藤井貞泰著/コンテンポラリー・ジャズピアノ」等
を買い込みのですが、帰宅して開けますと、最初の一ページからして理解できない!

かと言って然程に落ち込まなかったのは、
僕に「田舎者の特有の図太さ」があった事が一つ。

もう一つの理由は、新入生である18歳の僕にとって、
「何も理解できない」のは「ジャズ」に限らず、
上級生が作曲する「現代音楽」も訳が分からなかったし、
「大人の世界(?」」も未知。

だけど二、三年もすれば誰でも出来ているから、
僕もできるようになるだろう、と楽観できたからです。

という所で前回は話を終えました。今日はその続き。

*クラシック能力がなかったからジャズを理解できなかった

ところで「Jazz Study」や「コンテンポラリー・ジャズピアノ」等の
「ジャズの教科書」が理解できなかったのは、
僕が「クラシック」経験しかなく、「ジャズ」を勉強した経験がなかったから、
と思われるかも知れませなん。

「ジャズとクラシックは違う理論や奏法でできている」なんて言う人もいますしね。

でもそれは間違い、というものなんです!

確かに「Bm7 E7 AMaj6」やら「 Motion of 5th」等の英語表記される「ジャズ理論」と、「A Dur(アー・ドュア)」とドイツ式音名を用い、「主要三和音」等の日本語表記を用いる「クラシック楽典」とでは「表向き」は異なります。

「コードネーム(Chord Symbal)」なぞも「クラシック」では用いませんからね。

でも実は米英式の「ジャズ理論」と日独式の「クラシック理論」は、 基本的な考え方は同じなんです

そういえば、後年、音大作曲科の学生や出身者に対し、
僕は 「ジャズ理論」を教えましたが、皆、即時に
「ジャズ理論」を理解しました。

まぁ、僕が「C♯(シー・シャープ)」と米英式で言えば、
彼らが習慣的に「Cis(チス)」と独式で答えるのには笑えましたが。

話を戻せば,音大の新入生だった僕が,
「ジャズ理論」を理解できなかったのは、
「ジャズ経験がなかった」からではなく、
「クラシック理論」を大して修めていなかったから,という事に尽きます。

自分では一端のつもりでも,具体的には,
作曲科の受験用に「和声/理論と実習(音楽之友社)」三巻の前半迄をやった程度
作曲については精々 「複合三部形式」のソナチネ風が作れる、と言う程度。

これ位ならばヤマハ講師グレードの四級だか三級だかは通るにせよ,
マトモに考えれば「素人に毛の生えた程度」に過ぎず,
実際には「何も分かっていなかった」次第。

それでも,優等生には程遠かった僕ながら,
学年が進み「クラシック理論」を進級させるにつれ、
当初は1ページも理解できなかった「渡辺貞夫著/Jazz Study」が
少しづつ理解できるようなります。

だからと言って具体的に「ジャズピアノ」が弾けるようになった訳でなく,
「ジャズ入門者」向けの教材を探し始めます。

尤も考えてみれば,高校生の時に購入したものの放置してあって,
僕が高校生当時に出版された坂本輝先生の「レッツ・プレイ・ジャズピアノ」
シリーズが良いのではないか,と目に入りました。

おっと時間が来ましたので,今日はこここまで。

次回は坂本輝先生の「レッツ・プレイ・ジャズピアノ」シリーズによる独学時代について
お話させて頂きます。

つづく

リンクは藤井貞泰先生による「実用ジャズ講座」。
これも結構活用しました。

大阪梅田芸術劇場北向かい Kimball Piano Salon 音楽教室主宰
ジャズピアノ/ボーカル講師 藤井一成 電話(0705)438-5371

無量体験レッスンのお問い合わせはホームページからメールで。
http://www.eonet.ne.jp/~pianosalon(2021年2月からの新URL)

実用ジャズ講座 VOL.1 理論編

実用ジャズ講座 VOL.1 理論編

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: リットーミュージック
  • 発売日: 1976/11
  • メディア: 単行本



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そもそも「ジャズは習うものか?」と言うご質問 [レッスン]

前回に続き「ピアノは弾けない」「ジャズは知らない」「楽譜も読めない」という
「三ない」の人の為の「ジャズピアノ」レッスンのお話をする筈でしたが‥

このブログを読んだ「現役ミュージシャン」の知人から、
「そもそもジャズは学ぶものか?」と言う「素朴な(笑)質問」を頂きました。

彼は「習った事」も「教えた事」もなく、
「NYで黒人ミュージシャンとのセッションを重ね修行した」と自称する御仁。

尤も彼の演奏は、かなり「インチキ臭い」上、「ノリが悪い」ので、
しばし僕のカラカイの対象になっておられますが‥。

なんて話はさて置き、僕にとっては当然である「ジャズを習う事」や「学ぶ事」を否定し、
「ジャズは感性だ!」とか「NYに行って黒人とセッションしなければならない」
などと宣うのは構わないとして、問題のその人の演奏。

言っちゃあ悪いが、どこをとっても恥ずかしい「我流」。

一緒にピアノに並んで座り、「ブルース」を例として少しお教えしましたが、
先ずは「ノリ」が「和製」の「ドンパン節」。

「ブルース」というか「欧米の音楽のノリ」にはなってない。

本人ご自慢の「黒人の悲しみの歴史が作った」とやらの「ブルノート(ブルース音)」の
使い方もデタラメ等々。

色々とお教えした次第ですが、そんな事は「NYで黒人とセッションする」必要は全くなく、
日本に居ながらにして「学べる」事項に過ぎません。

まぁ「NYで修行してきた」と自称し、それなりのギャラをライブハウスがくれる、
という彼への「営業妨害」をするつもりは毛頭ありませんが、
所詮「我流」だと「インチキがばれやしないか」と不安になるから、、
「もっとマジメに勉強しなければ駄目だ」とは諭しました。

なんて事をジマンしたい訳でも、彼の話を事例にさせて貰ったのは、
若い頃の僕が、彼と全く同じ「ええカッコ」はしても実態は「インチキ」。

よく分からない素人さんの前では偉そうにできても、
「本当に勉強してきた」人が横に並ぶと、
「インチキぶり」がバレやないか、とドギマギし、
挙句「音楽は魂だぁ」とか何とか訳の分からない事を宣う、という存在でした。

その時に痛感したのは、僕も何とかして「ちゃんと学びたい」。

全ては無理だとしても「学んだ部分」に関しては、
「どこに出ても恥ずかしくない」という状態になれる事でした。

尤も僕自身は具体的に先生について「習った」経験が殆どなく、
やたらと遠回りしての「独学」による「ジャズピアノ習得」者なのです。
(或いは現在進行形の「ジャズピアノを勉強中」の者と呼ぶべきか)。

「クラシック経験は少しあるがジャズ経験は全くない、と言う状態から僕自身もスタートしました。

僕は「独学」した原因は、
しかし僕が高校生だった1970年代後半にせよ、
成人して「ジャズ演奏」を始めた1980年代にせよ、
当時の大阪には「ジャズの学校」は皆無であり、
米国留学は宇宙旅行と同じくらいに非現実的な話でした。


僕は学歴こそ「クラシック系音大出身」ですが、
別に「ジャズに転向」した訳でなく、
音大への受験勉強を始めた高校生時分から、
「ジャズピアニス」志望でした。

勿論、よく調べれば、
当時、京都には藤井貞泰先生のプライベート・スクールや、
設立されたばかりの「ANミュージック・スクール」があり、
そこでは「高度なジャズ教育」が行われていた様です。

結局、クラシック系音大の作曲科に進学しますが、
これは単に「音大」に進学する方が何かと好都合とい理由が一つ。

もう一つは田舎の高校生なりに「ジャズの基礎はクラシックだ」と考え、
「基礎を学べる」ので音大進学は価値がある、と結論づけたからです。

敢えて言えば「クラシック音楽家にはなろう」ともなれる、とも思いませんでしたが、
クラシックも好きで「ちゃんと学びたい」という気持ちも音大志望の動機でした。

そんな訳で、当時とては出遅れていたものの、
高校二年生から音大受験を目指し「専門の先生」の元に通い始めました。

従って「入試から解放」された入学後は、それまで我慢していた「ジャズの勉強」を
自らに「解禁」し、「音大生割引」で安く買えるという特典も活かし、ヤマハに行って、
日本の「ジャズ理論書のバイブル」とでも言うべき「渡辺貞夫先生著Jazz Study」を購入。

更に「藤井貞泰先生著コンテンポラリー・ジャズピアノ」等も買い込み、
家に帰ってワクワクしながらページを開けます。

尤も「Jazz Study」については、最初の1ページ目からして、
何が書いてあるのか理解できない!

「コンテンポラリー・ジャズピアノ」は、
楽譜に書かれた音符を弾けなくはないにせよ、
到底「ジャズ」には聴こえない。

しかも理論部分は「Jazz Study」同様まるで理解できない。

それでいきなり「挫折」する訳ですが、
「田舎者の強さ」というか、
18歳の音大新入生にとっては、
「ジャズ」に限らず一切万事が未知であり、
「落ち込む」よりは「どうすれば学べるのか?」という点だけが問題でした。

おっと何だか僕自身の「誰も読みたがらない自伝(笑)」になってしまいましたが、
タイトルの「ジャズは習うべきか?」と当然として、
僕が「どうやってジャズを学んだか?」という事をお話する事で、
初級の方も、上級の方も「学び方」についてご理解できるかと思います。

という訳で今日はこの辺りで終わりますが、
次回、僕がどうやってジャズを学んだか?についてお話をします。

つづく

リンクは本文で紹介した渡辺貞夫著「Jazz Study」

Kimball Piano Salon 音楽教室 ジャズピアノ/ジャズボーカル科
藤井一成クラス生徒募集中!

大阪梅田芸術劇場北向かい

お問い合わせ、無量体験レッスンのお申し込みは、
電話 0705-438-5371 (直)か下記のホームページでメールにて。
http://www016.upp.so-net.ne.jp/kimball/Kimball_Piano_Salon/


ジャズスタディ 渡辺貞夫

ジャズスタディ 渡辺貞夫

  • 作者: 渡辺貞夫
  • 出版社/メーカー: エー・ティ・エヌ
  • 発売日: 2004/07/01
  • メディア: 楽譜



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「ピアノもジャズも経験がない人の為のジャズピアノ入門」教える側の話 [レッスン]

「ピアノもジャズも経験がない人の為のジャズピアノ」レッスンについての前回の続き。
今日は「教える立場」からの報告。

僕は「ジャズ教育」に取り組んでいますが、「演奏者」でもありますから、
大小様々な(最近は「小」のみ)「ライブ」をします。

ライブ後の「打ち上げ」がライブ自体よりも楽しみ、という裏話はさて置き、
僕が大阪梅田でピアノ・スタジオと教室を主宰している、と明かすと、
お酒の勢いか社交辞令で「あたしもジャズピアノを始めようかな」
なんて人が一人くらいは現れます。

まぁ、一晩明ければ、互いにこういう話は、雲散霧散する訳で、
実際に教室まで訪ねて来られるのは10人に一人位ですけどね。

とは言え、ホームページやこのブログ、更にYou-tube等にも、
一応は「生徒募集」を告知してますから、
メールや電話でジャズピアノやジャズボーカル等の
「レッスンの問い合わせ」を頂きます。

「ジャズボーカル・レッスン」のお問い合わせの大部分は、
「我流で歌ってきたが、ボーカルを習う事自体は初めて」。

或いは「他教室で習ってきた」がウチの教程に関心があり問い合わせた、
という方もおられもますが、良きも悪しきも「他教室で習った経験」があるから、
僕のレッスン内容の「特殊性」に興味を持たれるのでしょう。

その点「ジャズピアノのレッスン」で問い合わせ頂くの方のプロフィールは
どうなのか、と言えば、これは千差万別。

案外多いのが、

「クラシックピアノの経験は長いが、ジャズはコードの基本も知らない。 でもジャズに興味がある」という女性

ある意味、僕の「ジャズピアノ・レッスン」は、こういうタイプを対象に
組み立てられている、と言えます。

つまりは「ピアノは弾ける」。
しかし「ジャズ経験」はない、或いは「ジャズピアノを習った事がある」 「バンドでライブをしている」「他教室で教えている」等の「ジャズ経験」
一応はある、という方。

こういう言い方はナンですが、「ライブをやっているセミプロのミュージシャン」と言えど、
必ずしも「ちゃんと解って」演奏している訳ではないから、
ウチに来て「基礎から学び直したい」という人は少なくないのです。

ところで案外多いのが、年配の男性に多いのですが、
「ロックやポップス、或いはジャズのギターやサックス等の経験がある」
ものの「鍵盤楽器経験」はない、という方。

実際にレッスンしてみますと、なるほど「勘所を押さえる」能力があり、
結構ピアノも弾けるようになる人が多いので感心します。
教えている僕が言うのも変ですが‥。

おっと忘れてならないのが「三ない(みない)」の方

・楽器の経験もない! ・ジャズ・ポピュラーも知識もない! ・楽譜もよく読めない!」 
と言う「ない」づくし。

問題は、この「三ない」の為の「ジャズピアノ」レッスン。

正直「プロ・ミュージシャン」対象のレッスンなんぞ「楽勝」ですが、
この「三ない」対象のはなんとも難儀。

それでも、かれこれ十年近く費やし、
「三ない」対象の「納得できるレッスン」が体系化できました!

と言う訳で相変わらず前回から今日まで「間」が開きましたが、
「三ない」の為の「ジャズピアノ」レッスンの具体的な事をお話ししましょう。

Kimball Piano Salon 音楽教室 http://www.eonet.ne.jp/~pianosalon(2021年2月からの新URL)
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「ピアノもジャズも未経験」と言う方の為のジャズピアノ・メソッド [レッスン]

前回に続き。「ジャズもピアノも未経験」という方の為のジャズピアノ・レッスンのお話。

「ピアノ経験もジャズ経験もないがジャズピアノを習えますか?」というお問い合わせは、僕が主宰するKimball Piano Salon 音楽教室(大阪梅田)にも結頂きます。


以前の僕ならば「ジャズ経験は不問ですが、ピアノ経験がないのはマズイから,
先ずはピアノが弾けるようになってから来て頂けますか?」と知り合いの
「初心者対象教室」を紹介したりしました。

当時の僕が「ピアノ入門課程」の生徒さんをお請けしなかった理由は、
僕が「偉い先生(笑)」だったからでも、「多忙」だったからでも全くなく、
僕に「ピアノ入門課程を教える能力」がなかったからです。

当時の僕には「上級の生徒を教える」事は容易でも、
勝手の違う「ピアノ入門課程」を教える能力はありませんでした。

「ジャズピアノ」を志した高校生時分、
僕は他の子供より始めるのが遅かったとはいえ小学五年生から習っていた
「クラシックピアノ」の経験から、「中級程度」にはベートーヴェンや
バッハが弾けました。

その程度のピアノ技能があれば「ジャズピアノ入門」には充分だった筈ですが、
一方「ジャズ的な知識や技能」は全くありませんでした。

それでも中学校のクラブ活動での「ニューミュージック(Jポップ)のバンド」経験から、
「C7」のような簡単なコードならば即興でピアノ伴奏が弾けました。

ところがヤマハ等の楽譜屋さんで恐る恐る立ち読みした「ジャズ教則本」に出てくる
「C7♯11♭13」等の「ハイテンション・コード」はさっぱり分からず、
「G Alterd 7th Scale上にはUpper Structure traiadとしてA♭ができる」
なんて「ジャズ理論」を言われても「宇宙人の言葉」にしか思えませんでした。

更にジャズ・リズムについても分からなければ、
複雑怪奇な編曲や即興については「ホーキンス博士の論文」程に難解に思えました。

にも関わらず「ちゃんと勉強すれば習得できるだろう」と楽観できたのは、
僕に「特別な才能があった」からでは全くなく、
高校生にとっては「ジャズピアノ」にら限らず、
英語だろうか国語だろうが「その時点ではできないが、
一応、真面目に勉強すれば、将来はできるようになる筈」
課題に過ぎなかったからです。

更に種明かしをすれば、「田舎の高校生」独特の無知の強みから、
「ジャズピアノ」を趣味ではなく職業にしたい、とも思いましたが、
周囲には「ジャズピアノ」を習える先生もおらず、
そもそも「何を、どう学べばいいのか?」すら分からない。

「クラシック・ピアノ」に関しては、
今となっては効用に疑問がありますが、
ハノンやツェルニーと言う「練習曲」や、
ブルグミュラーやソナチネのような「曲集」があり、
その譜面に沿って音を出せれば「習得できた」と定められています。

ところがジャズの場合、例えば「下手糞と言われたチャーリー・パーカーやジョン・コルトレーンは、寝食を忘れての猛練習を積み重ねた結果、当代随一のアーティストになりました」的な伝記こそあれ、具体的に何を「練習」するのが記されていない。

僕も寝食やついでに学校も忘れての「練習」に没頭したいと思うものの、
「教則本」がある訳でなし、「何をどう学べばいいのか?」がよく分かりませんでした。

尤もこれは皆さんも同じですよね?

「ピアノもジャズも全く経験がない」と言う人は勿論、
「クラシックはショパン程度の経験があるが、ジャズは全く弾けない」にせよ、
「どうやって学べばいいのか?」よく分からない。

或いは「ジャズは理屈ではない、タマシイの叫びダァ」とか、
「NYで黒人とセッションをして武者修行をしてきた」とか宣う方にせよ、
いくつか理論や技術の「間違い」を指摘すると、途端に「塩をかけられたナメグジ」の如く「どうやったらいいんでしょうかぁ」なんてオロオロする。
(これ、若い頃の僕の事ですけど/汗)

「レコードコピー」してもダメ。
「理論書を読んでも」ダメ。
「市販楽譜を弾いても」ダメ。

何やっても、自分が作っているハーモニーが「正しいのかどうか」自身がないし、
リズムやアドリブなんてのも、精々、モノマネしても確証がない。

結局、兎にも角にも「バークリー音大に留学」すれば全てがバラ色に解決するのではないか、と言う幻想を抱く訳で、まぁ、実際、それも「間違ってない」にせよ、一々、
「留学」するような資金も時間もコネない、と言うのが大半の人でしょう。

そう言う僕こそが正にそれで、時間はともかく、資金とコネがなく、
ついでに言えば才能もあまりなかったが、
何とかして「ジャズピアノが弾けるようになりたい」と言う「強い想い」
と言うか「目標」を持ち続けました。

その結果、次第に「クラシックやポピュラーは弾けるがジャズは全く弾けない」と言う人の「教育」に携わり始め、その内、「一応、ライブハウスに出演してジャズをやっているが、どうも確証がない」と言う人を対象に拡大し、究極が「ピアノもジャズも経験がない人」の為の「ジャズピアノ」教育に携わる事になりました。

勿論、若い頃、できたものの、常に「本当に勉強した人が隣に並ぶとソワソワした」事の苦しさから、「なんちゃってジャズ」は厳禁!

むしろ「初歩的でも構わないから、学んだ部分に関しては、どこに出しても恥ずかしくない!」と呼べる「体系的な教育」を一貫して目指しました。

おっと、「本題」に入る筈が、例によって「前置き」だけで長くなってしまいました。

この際、僕自身の「ジャズ教育」のプロフィールを順に書く事で、
最終的な「ピアノもジャズも経験がない人の為のジャズピアノ入門」過程について、
お話しましょう。

つづく

リンクは「ジャズピアノ・レッスン」で用いるLee Evansの教材の一つ。

Kimball Piano Salon 音楽教室 主宰/藤井一成
大阪市北区豊崎3-10-2 I&F梅田ビル705 (梅田芸術劇場北向かい)
電話 0705-438-5371 http://www016.upp.so-net.ne.jp/kimball/Kimball_Piano_Salon


Jazz Piano Scales and Exercises: An Engaging Way to Practice Scale Patterns and Etudes While Learning Jazz

Jazz Piano Scales and Exercises: An Engaging Way to Practice Scale Patterns and Etudes While Learning Jazz

  • 作者: Lee Evans
  • 出版社/メーカー: Hal Leonard Corp
  • 発売日: 2018/10/01
  • メディア: ペーパーバック



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ジャズもピアノも未経験という方の為の本当に良いメソッド 大阪梅田Kimball 音楽教室 [レッスン]

こんにちわ。前回から、僕が主宰する大阪梅田「Kimball Piano Salon 音楽教室」の
ジャズピアノ/ボーカル科、クラシック科に色々なコースが設定されました、
と言うお話をしています。

僕達の教室は「レッスンの質を維持する」為の予算は取りますが、
「楽器屋さんの音楽教室」のように「広告宣伝」に費やしたとて
生徒さんが上達する訳ではない、という理由から、
組織的な宣伝はしていません。

そもそも小さな教室ですので、
直ぐにキャパが一杯になるから、
あまり生徒数が増えても対応できない、という事もありました。

尤も最近は新しい講師やアシスタントが増えキャパを増やせた事、
加えて「フランチャイズ」という程ではありませんが、
僕のレッスン・システムを導入したい、という他教室からの提案がたまにあり、
普段やっているレッスンの内容をもう少し見え易くしよう、と思った次第です。

考えてみれば、今の生徒さん達も「音楽教室の激戦区」大阪梅田で、
僕のブログなりを読まれ、他教室との根本的な違いに興味を持たれ、
特に宣伝してない僕の教室を「探し出し」て来られた訳ですね。

勿論、「楽器屋さんの教室」も含め他教室の方が合う方もおられる訳で、
ならばウチの教室のレッスン内容を明確に示した方が、
ウチに来たい人にとっても、来たくない人にとっても便利か、とも思いました。

なんて事を書けば、うちが劇画に出てくる「銀座のお寿司屋さん」の如く、
「うちの味が分からねぇ奴は出て行きやがれ〜」的な敷居の高い教室に思われる
かも知れませんが、確かにマニアックかも知れませんが、
「初級」の方からの対応する、その点では「普通の音楽教室」ですので、
どうぞお気軽においで下さい!

なんて話はともかく、今回のコース更新を経て、
「プロ・ミュージシャンになりたい」とか「講師になりたい」という
上級部分も充実させましたが、実はそれ以上に充実したのが
「ピアノ未経験〜初級」対象の部分。

実は「Kimball Piano Salon音楽教室」の講師の面々は、
僕以外は「初級を教える」事についてのエキスパートですが、
僕自身は「講師業」の始まりが、某楽器メーカー系の教室で、
ピアノやエレクトーン講師対象のセミナーでして、
むしろ「上級」の方が専門、というか得意な筈でした。

とはいえ教室の現場に入れば、初級の生徒さんも来られる訳で、
当初は「見よう見まね」で教えていた訳ですが、段々とわかった事は、
「初級だろうが上級だろうが、アートでなくてはダメだ!」という事。

「なんちゃってジャズ」みたいなのは論外。

知人が某「楽器屋さんの音楽教室」講師として雇われた際、
「うちは初心者ばかりですから、難しい事は教えず、
楽しいレッスンをして下さい!」とキツク言われたそうな。

勿論、「楽しい」事は良い事だけど、
「楽器屋さん」と僕達とでは「楽しい」の意味が根本的に違うなぁ、
と改めて認識しました。

僕達にとって「楽しい」とは、初級だろうが何だろうが、
音楽の響きや流れを理解でき、少しでも、それを自分で演奏したり、
創作したりで、つまりは自我を超えて「音楽の世界」に自分を高める事です。

ところが、コンビニエンスな教室だと、
「あー、そんな難しい事言わんと。適当に弾けたら丸を上げて、
生徒を煽てて、楽器の一台でも買わして下さい」となるらしい。

勿論、こんなジャンクフードな楽器屋さんばかりでなく、
真面目に音楽を追求している楽器屋さんも、
少なくとも東京にはありますが…。

ところで現場でレッスンをしてますと、
「初級」どころか「ピアノ経験が全くない」という
生徒さんも来られます。

楽譜もよく読めない。

そういう生徒さんに対し「楽譜が読めなくても大丈夫です」とか
「雰囲気で覚えましょう」「ジャズは感性です!自由に弾きましょう!的な
「なんちゃってジャズピアノ」レッスンで対応すればいいのか、
と言えば、それはないでしょう。

或いは「ジャズの基礎はクラシックです」とばかり、
「ジャズピアノ」を習いに行った筈がバイエル等の
「クラシック」ばかり弾かされる、という教室もあるらしい。

まぁ「ジャズ」を始める前に「クラシック」を習う事は悪い事ではない。
問題は、いつ、どうやって、「ジャズ」に切り替えるか?ですね。

加えて僕の感覚で言えば「ジャズを始める」に際し、
「クラシック経験がある」というのは極めて有利。

だからと言って、大人に対し、「先ずは三年間、クラシックを習い、
その後、ジャズを始めましょう」というのは物凄い遠回り。

やはり「ジャズ」で始め、かつ、クラシック同様に「正しい奏法」や、
読譜力、音楽理論等が学べないか、と研究を始めたのが、
かれこれ10年以上前。

その結果、リー・エバンスやマーサー・ミアー等のピアノ・メソッドに
行き着いた訳ですが、これも日本人の気質や体質、教室の状況等に合わせて、
いわば「日本版」を作るのに10年近くかかりました。

漸く「これならば良いだろう」と思えるレッスンプログラムになったのが、
精々、この2年くらいですが、この2年程、生徒さんには悪いが、
各種「人体実験」をさせて頂き、改良を加え、いよいよ、
一般公開してもいい、というか、公開して、
「本当に良いメソッドによる」ジャズピアノ入門を普及させよう、と思い始めました。

という訳で「リー・エバンス・メソッド・ベーシック」という体系が出来た訳ですが、
詳しくは次回に。

つづく 

リンクはリー・エバンスの素敵な「Lounge Jazz」編曲作品集の一つ「ジェローム・カーン」


Kimball Piano Salon 音楽教室 主宰 藤井一成 電話0705-438-5371
http://www.eonet.ne.jp/~pianosalon(2021年2月からの新URL)


Jerome Kern Favorites (Lee Evans Arranges)

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  • 出版社/メーカー: Hal Leonard Corp
  • 発売日: 2006/03/01
  • メディア: ペーパーバック



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NYに行かなくったって、ジャズのリズム感は日本で修得できます! [レッスン]

名古屋在住の祥子さんという女性から頂いた
「Swing感覚を身に着けるにはどうすればいいか?」
というご質問への回答を前回から書き始めました。

尤も例によって僕が前回の続きを直ぐに書けない中、
祥子さんから「追記」メールが届いたりもしました。、

…少し日が空きましたので話を復習しましょう。

祥子さんは現在のお仕事は「ピアノ講師」ですが、
元はジャズ専門学校に通い、ジャズピアニストを目指したそうですが、
自分のジャズに確証を持つに至らなかった事もあり一旦「ジャズの道」を断念。

やはり、ジャズをやりたくなり、ピアノ講師職の傍ら、
知人の「ニューヨークでの十年の修行」をされたプロのベース奏者の方と
時々一緒に演奏するそう。
ジャズ演奏するそう。

問題は、ベース奏者さんから「リズム感」について「駄目出し」をされるのは致し方ないとして、
「日本に住んでいてはジャズは理解できない!」と生活を根本的に変えねばならないような話も頂、
今後どうしたものか?と途方にくれておられる、との事。

ちにもにベース奏者さんが祥子さんに指摘というか「駄目だし」したのは下記の部分。

ニューヨーク帰りのベース奏者さんが指摘した事く

・日本人には「Swing(ジャズのリズム感)」は理解できない。

・「Swing(ジャズのリズム感)」は学べるものではない。

・「Swing」を修得しようと思ったら、自分(ベース奏者さん)のようにNYに住み、
 黒人ミュージシャンとのセッションを重ねないと駄目だ。

こういう話はよく聞きますよねぇ。

ちなみに祥子さんかせ「追記」として下さったのも上記に関しての話。


゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛ある日本人ピアニストのNY体験(祥子さんのメールより転載)

あるジャズピアニスト男性が書いた日記を読みました。音楽以外の勉強でアメリカの大学に入り、仕送りの少ない彼は毎日芸術学部室に入り浸り、ピアノの練習をしているうちに地元の貧乏黒人ミュージシャンの友達がたくさんでき、演奏活動をして絆が生まれたそう。その時、黒人の痛み、悩み、叫びをたくさん聞いて音楽に対する姿勢が変わったと。ジャズは遊びではなく生活に根ざしており音楽だけは白人も取り上げることはできないし、自由に自分を表現する唯一のものだからそれがなくなることなど有り得ないと。ジャズの生まれた経緯を知ると自分の気持ちも変わると。でも彼らには、君は帰るところがあるからいいよな、と言われたそうです。

*****************************************:
もう、こうなったらNYに住み、黒人ミュージシャンとセッションを重ねない限り、
「ジャズの習得」は不可能になってしまいます。

僕も、この話について「ホンマでしゃろか?」と聞かれる事がままありますが…。

それについては、僕は真偽を語れる程には「NYジャズ生活を」を識っている訳でもなく、
そもそも「NYなんか行かんでもエエよ、ウチに来てくれたら」という立場で教室を営む以上、
今ひとつ公明な話はできないかも知れません。

(尤もNYとは全く縁がない、かといえば、NY州立大学のLee Evans教授の「ジャズメソッド」普及や、
「チャーリー・パーカー時代からの名ピアニストであるバリー・ハリス&三上クニ氏による
「NYスタイルジャズピアノ」教程普及ま日本代表(?)的もやっていますが…。)

だけども、何が何でも「NYに行き」「黒人ミュージシャンとセッション」を重ねないと、
「ジャズピアノの修得は不可能だ」という考え方には賛同できないのも確かです。

そういえば、前回は「Swing」という事場自体が、、
「Swing Jazz」「スウィングしている」「ジャズのリズム感」の三つの意味がある
という事をお話すると共に、それらは相互に関っており、次回は、その一つ一つについて
ご説明しましょぅ、という話で「続き」に持ち込んだ経験があります。

それで、実際、「Swingの三つの意味」を今日はお話する心積もりですが、
よくよく考えてみればね更に大きな問題があったな、と気づいた次第。

つまり「何が何でもNYに住まねばならない」「絶対に黒人と魂の交流」をやらなれば、
「ジャズ」はできない、という一種の「伝説」を打ち破る事が先決かな、と気づきました。

*****
おっと、又しても時間切れとなりました。

この続きは又、明日にでも。又、引き続きお読み下さいませ。

PS, リンクは僕が12才のと時から好きだったバリー・ハリスのレコード。

Kimball Piano Salon 音楽教室主宰 藤井一成

大阪梅田芸術劇場北向かい Kimball Piano Salon http://www.eonet.ne.jp/~pianosalon(2021年2月からの新URL)

COMPLETE LIVE IN TOKYO 1976

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  • 出版社/メーカー: JAZZ LIPS
  • 発売日: 2009/04/30
  • メディア: CD



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