ジャズピアノ・レッスンを初めませんか? 大阪梅田KPS音楽教室の場合 [チャールストン倶楽部]
こんにちわ。今迄,ボーカル・レッスンについて書いてきましたが,今度はピアノ・レッスンについて書いてみましょう。
Kimball Piano Salon 音楽教室(大阪梅田)のピアノ科には「ジャズ」と「クラシック」の二つの専攻があります。
http://www016.upp.so-net.ne.jp/kimball
僕の担当は「ジャズピアノ」と「弾語り(のピアノ)」で,ボーカルも少々やるという案配です。
日本では「ジャズ」といえば,1950年代後半のレッド・ガーランドやウィントン・ケリー等の「ハードバップ」,或はビル・エバンス〜ハービー・ハンコック等の'60年代の「モダン」を指す事が殆どです。
(ちなみに'40〜50年代の「ビバップ」や「ハードバップ」「クールジャズ」等も含め「モダンジャズ」と呼ぶのは日本だけの分類法で,国際的には日本で「新主流派」や「モード」と呼ばれる'60年代のスタイルを「モダン」と呼びます。)
僕自身,レッド・ガーランドやエバンスの参加したマイルス・デイビス楽団,MJQ,ロリンズ,モンク等の「ハードバップ」は大好きですし,同じマイルスのハンコックやショーターが参加した'60年代の「モダン」も凄いな,と尊敬します。(僕個人的にはマイルスについては70年代以後の方が好きですが…)
但し,僕自身のスタイルとしては'40〜50年代の「中間派」と呼ばれるオスカー・ピーターソンやエロール・ガーナーのピアノや,ナット・キングコールの弾き語りを目標とします。
或はレイ・チャールズみたいなR&Bや女性歌手ではビリー・ホリデーもお手本にしていますし,ジミー・スミスのオルガンも密かなお手本です。
以上は全て黒人ですが,ボールルーム音楽(ラウンジ・ミュージック)大ピアニスト,イタリア系移民のカーメン・キャバレロも重要なお手本です。
蛇足ながらクラシック音楽は戦前派であるカザルスやフルトベングラー,リパッティ,コルトー,ギーゼキング等の巨匠の演奏が大好きです。
ところで僕のスタイルである「中間派」ですが,何の中間か?といいますと1930年代からの「スウィング」と40年代以後の「ビ・バップ」の,です。
「スゥイング」と「ビ・バップ」の違いは,前者がメロディー中心で社交ダンスにも使えるいわば「ラウンジ・ミュージック(ポピュラー音楽)」で,後者がアドリブ重視の「鑑賞音楽」。
ちょっと聴き比べてみましょう。
まずは「スゥイングの王様」ベニー・グッドマン楽団による1980年代のリバイバル演奏。
グッドマンも素晴らしいがピアノのテディ・ウィルソンも同格。
(僕に言わせると両者を単独で聴くて物足りないが,合奏すると1+1が5位になる。)
Memories of you http://youtu.be/Zlak-Jeo1Zk
ビバップを代表するチャーリー・パーカーとディズー・ガレスビーの演奏。
Hot House http://youtu.be/Clp9AeBdgL0
どちら素晴らしいがバップの方が人を寄せ付けない雰囲気や「抽象化」が施され,'60年代の「モダン(新主流派)」になると下手すると何の曲だか分らない程の「抽象化」が進みます。
これも蛇足になりますが,マイルス・ディビスの「ハードバップ」時代のと約10年後の「モダン(新主流派)」時代の演奏を聴き比べてみましょう。
1956年の「マイ・ファニー・バレンタイン/マイルス・デイビス」
http://youtu.be/OCqZE6oBSsQ
1964年の「マイ・ファニー・バレンタイン/マイルス・デイビス」
http://youtu.be/QKEfyXPt91U
僕はこの演奏とは違いますが同時代のレコードを高校生時分に買い,「モダン(新主流派)」のジャズピアノを目指していた僕は,もの凄く興奮して聴き込みました。
勿論,今聴いても凄い演奏だとは思いますが,「スタバ」のBGMならばで'56年版かな(実際流れていますが)という所です。「スタバで流れているから良い」という訳ではありませんが,'60年代のはカフェ音楽としては「抽象化」が進み過ぎているという事でしょう。
ある意味,「芸術的進歩」とは「抽象化」とも言えます。
但し「中間派」ですが,リズムのスタイルや「メロディーが分り易い=抽象化されてない」という「スゥイング」のコンセプトのまま,♯11や♭13等のハイテンションコード等の「ビバップ」のコードやフレーズを取入れた音楽を指します。
結局「カフェの音楽」としては更に合うという訳です。一寸聴いてみましょう。
ナット・キングコールの弾き語り「I'm a shy guy」 1945年
http://youtu.be/XTxPtzSkSFg
エロール・ガーナー「ミスティ」1969年のテレビ録画
http://youtu.be/r2qt6xl-q6o
良きも悪しきも「エンタテイメント」的ですね。
もう一度古いスタイルのジャズを聴いてみましょう。
1943年の録音ですが「ビバップ」の一世代前「スウィング」より更に古い1920年代の「ラグタイム」系のピアニスト;フアッツ・ウォーラーの「ストーリー・ウェーザー」;
http://youtu.be/C4ZFsm9msv4
映画の中ではいえ「おふざけ」が過ぎるというか,楽しい,というか「芸人」なのです。
ファッツのソロで「スターダスト」を聴いてみましょう。かなり「まじめ」。
http://youtu.be/kPs4excR-ck
ビバップのピアニストは「芸術家」意識が高まり,何かしら人を寄せ付けない厳しさと,ユーモアのあるが「おふざけ」はなくなります。
「ビバップ」の元祖バド・パウエルによるアップテンポの「Bud's Bubble」を聴きましょう。
http://youtu.be/OpKcJvRgLH4
パウエルのアップテンポ演奏は,先に聴いて頂いたサックス奏者;チャーリー・パーカーの演奏をそのままピアノに移し替えたものといいます。尤もスロー・バラードでは「スゥイング」ピアノの最高峰,アート・テイタムの影響が強いショパン風の超絶技法による装飾を施します。
スロー・バラード「エブリスィング・ハップン・トェ・ユー」を聴きましょう。
http://youtu.be/fyrDRPuBflI
実はこの二曲は「バド・パウエルの芸術」というレコードに入っていて,僕は中学三年生の時分にこれを買い,以来,30年も聴いたり,採譜したりして勉強していますが,年月を経る程により良く思えてきました(僕の性格によるのもか知れませんが…)
話しを戻すと「中間派」というのは音楽様式的にはファッツ・ウォーラーから始まる「スゥィング」のリズムや歌謡性と,バド・パウエル以後の「ビバップ」の立体構造の和声を併せ持ちます。尤も「サービス精神」もフアッツとパウエルの「中間」といった所ですが…。
ちなみに「スウィング」が古い分,「ピバップ」より単純という訳でなく,先程聴いて頂いたスロー・バラードにおけるお手本ともいうべきパウエルのアート・テイタムによる「スターダスト」を聴いてみましょう。
http://youtu.be/hXck_aaNdd0
もの凄い超絶技法ですね。テイタムは1930年代に最初のピークを迎え,しかし20年後,音楽様式的には二世代後の「ハードバップ」時代である1950年代にも古臭くならない所か全てのミュージシャンの尊敬を集め,「スゥイング」のまま当時の音楽に先行しています。
僕のレッスンの基本教材であるオスカー・ピーターソンというのは,テイタムの弟子にあたるヒトですが,よりバップの方法を取入れていますが,テイタムと聴き比べるとややマンネリに聴こえてしまうのは,テイタムの方がより斬新だという事でしょう。
スタイルのまとめ;
*KPS/Jazz piano コースが対象とするもの
1920年代/後期ラグタイム(ストライド); ファッツ・ウォーラー
1930年代/スゥイング;テディ・ウィルソン(ベニー・グッドマン楽団)
アート・テイタム(50年代でも時代に先行する)
1940年代/ビバップ;バド・パウエル(アップ・テンポはサックスのチャーリー・パーカー的)
(スロー・テンポはアート・テイタム的)
セロニアス・モンク(斬新なハーモニー&ファッツ・ウォーラー的奏法)
1950年代/中間派(スゥイング+ビバップ)
・オスカー・ピーターソン, エロール・ガーナー,ジョージ・シアリング,ナット・キングコール
・カーメン・キャバレロ(ラウンジ・ミュージック)
*KPS/Jazz piano コースの対象ではないが重要なスタイル
1950年代/ハードバップ
・レッド・ガーランド,ハンク・ジョーンズ,ウィントン・ケリー
1960年代/モダン
・ビル・エバンス,ハービー・ハンコック,チック・コリア, セシル・テイラー(前衛)
1970年〜/コンテンポラリー
・キース・ジャレット,ポール・ブレイ他
という訳で主に1950年代以前の「スゥイング」「ビバップ」「中間派」をスクールの課題とします。
更に詳しい内容はは次回へつづく
Kimball Piano Salon 音楽教室(大阪梅田)のピアノ科には「ジャズ」と「クラシック」の二つの専攻があります。
http://www016.upp.so-net.ne.jp/kimball
僕の担当は「ジャズピアノ」と「弾語り(のピアノ)」で,ボーカルも少々やるという案配です。
日本では「ジャズ」といえば,1950年代後半のレッド・ガーランドやウィントン・ケリー等の「ハードバップ」,或はビル・エバンス〜ハービー・ハンコック等の'60年代の「モダン」を指す事が殆どです。
(ちなみに'40〜50年代の「ビバップ」や「ハードバップ」「クールジャズ」等も含め「モダンジャズ」と呼ぶのは日本だけの分類法で,国際的には日本で「新主流派」や「モード」と呼ばれる'60年代のスタイルを「モダン」と呼びます。)
僕自身,レッド・ガーランドやエバンスの参加したマイルス・デイビス楽団,MJQ,ロリンズ,モンク等の「ハードバップ」は大好きですし,同じマイルスのハンコックやショーターが参加した'60年代の「モダン」も凄いな,と尊敬します。(僕個人的にはマイルスについては70年代以後の方が好きですが…)
但し,僕自身のスタイルとしては'40〜50年代の「中間派」と呼ばれるオスカー・ピーターソンやエロール・ガーナーのピアノや,ナット・キングコールの弾き語りを目標とします。
或はレイ・チャールズみたいなR&Bや女性歌手ではビリー・ホリデーもお手本にしていますし,ジミー・スミスのオルガンも密かなお手本です。
以上は全て黒人ですが,ボールルーム音楽(ラウンジ・ミュージック)大ピアニスト,イタリア系移民のカーメン・キャバレロも重要なお手本です。
蛇足ながらクラシック音楽は戦前派であるカザルスやフルトベングラー,リパッティ,コルトー,ギーゼキング等の巨匠の演奏が大好きです。
ところで僕のスタイルである「中間派」ですが,何の中間か?といいますと1930年代からの「スウィング」と40年代以後の「ビ・バップ」の,です。
「スゥイング」と「ビ・バップ」の違いは,前者がメロディー中心で社交ダンスにも使えるいわば「ラウンジ・ミュージック(ポピュラー音楽)」で,後者がアドリブ重視の「鑑賞音楽」。
ちょっと聴き比べてみましょう。
まずは「スゥイングの王様」ベニー・グッドマン楽団による1980年代のリバイバル演奏。
グッドマンも素晴らしいがピアノのテディ・ウィルソンも同格。
(僕に言わせると両者を単独で聴くて物足りないが,合奏すると1+1が5位になる。)
Memories of you http://youtu.be/Zlak-Jeo1Zk
ビバップを代表するチャーリー・パーカーとディズー・ガレスビーの演奏。
Hot House http://youtu.be/Clp9AeBdgL0
どちら素晴らしいがバップの方が人を寄せ付けない雰囲気や「抽象化」が施され,'60年代の「モダン(新主流派)」になると下手すると何の曲だか分らない程の「抽象化」が進みます。
これも蛇足になりますが,マイルス・ディビスの「ハードバップ」時代のと約10年後の「モダン(新主流派)」時代の演奏を聴き比べてみましょう。
1956年の「マイ・ファニー・バレンタイン/マイルス・デイビス」
http://youtu.be/OCqZE6oBSsQ
1964年の「マイ・ファニー・バレンタイン/マイルス・デイビス」
http://youtu.be/QKEfyXPt91U
僕はこの演奏とは違いますが同時代のレコードを高校生時分に買い,「モダン(新主流派)」のジャズピアノを目指していた僕は,もの凄く興奮して聴き込みました。
勿論,今聴いても凄い演奏だとは思いますが,「スタバ」のBGMならばで'56年版かな(実際流れていますが)という所です。「スタバで流れているから良い」という訳ではありませんが,'60年代のはカフェ音楽としては「抽象化」が進み過ぎているという事でしょう。
ある意味,「芸術的進歩」とは「抽象化」とも言えます。
但し「中間派」ですが,リズムのスタイルや「メロディーが分り易い=抽象化されてない」という「スゥイング」のコンセプトのまま,♯11や♭13等のハイテンションコード等の「ビバップ」のコードやフレーズを取入れた音楽を指します。
結局「カフェの音楽」としては更に合うという訳です。一寸聴いてみましょう。
ナット・キングコールの弾き語り「I'm a shy guy」 1945年
http://youtu.be/XTxPtzSkSFg
エロール・ガーナー「ミスティ」1969年のテレビ録画
http://youtu.be/r2qt6xl-q6o
良きも悪しきも「エンタテイメント」的ですね。
もう一度古いスタイルのジャズを聴いてみましょう。
1943年の録音ですが「ビバップ」の一世代前「スウィング」より更に古い1920年代の「ラグタイム」系のピアニスト;フアッツ・ウォーラーの「ストーリー・ウェーザー」;
http://youtu.be/C4ZFsm9msv4
映画の中ではいえ「おふざけ」が過ぎるというか,楽しい,というか「芸人」なのです。
ファッツのソロで「スターダスト」を聴いてみましょう。かなり「まじめ」。
http://youtu.be/kPs4excR-ck
ビバップのピアニストは「芸術家」意識が高まり,何かしら人を寄せ付けない厳しさと,ユーモアのあるが「おふざけ」はなくなります。
「ビバップ」の元祖バド・パウエルによるアップテンポの「Bud's Bubble」を聴きましょう。
http://youtu.be/OpKcJvRgLH4
パウエルのアップテンポ演奏は,先に聴いて頂いたサックス奏者;チャーリー・パーカーの演奏をそのままピアノに移し替えたものといいます。尤もスロー・バラードでは「スゥイング」ピアノの最高峰,アート・テイタムの影響が強いショパン風の超絶技法による装飾を施します。
スロー・バラード「エブリスィング・ハップン・トェ・ユー」を聴きましょう。
http://youtu.be/fyrDRPuBflI
実はこの二曲は「バド・パウエルの芸術」というレコードに入っていて,僕は中学三年生の時分にこれを買い,以来,30年も聴いたり,採譜したりして勉強していますが,年月を経る程により良く思えてきました(僕の性格によるのもか知れませんが…)
話しを戻すと「中間派」というのは音楽様式的にはファッツ・ウォーラーから始まる「スゥィング」のリズムや歌謡性と,バド・パウエル以後の「ビバップ」の立体構造の和声を併せ持ちます。尤も「サービス精神」もフアッツとパウエルの「中間」といった所ですが…。
ちなみに「スウィング」が古い分,「ピバップ」より単純という訳でなく,先程聴いて頂いたスロー・バラードにおけるお手本ともいうべきパウエルのアート・テイタムによる「スターダスト」を聴いてみましょう。
http://youtu.be/hXck_aaNdd0
もの凄い超絶技法ですね。テイタムは1930年代に最初のピークを迎え,しかし20年後,音楽様式的には二世代後の「ハードバップ」時代である1950年代にも古臭くならない所か全てのミュージシャンの尊敬を集め,「スゥイング」のまま当時の音楽に先行しています。
僕のレッスンの基本教材であるオスカー・ピーターソンというのは,テイタムの弟子にあたるヒトですが,よりバップの方法を取入れていますが,テイタムと聴き比べるとややマンネリに聴こえてしまうのは,テイタムの方がより斬新だという事でしょう。
スタイルのまとめ;
*KPS/Jazz piano コースが対象とするもの
1920年代/後期ラグタイム(ストライド); ファッツ・ウォーラー
1930年代/スゥイング;テディ・ウィルソン(ベニー・グッドマン楽団)
アート・テイタム(50年代でも時代に先行する)
1940年代/ビバップ;バド・パウエル(アップ・テンポはサックスのチャーリー・パーカー的)
(スロー・テンポはアート・テイタム的)
セロニアス・モンク(斬新なハーモニー&ファッツ・ウォーラー的奏法)
1950年代/中間派(スゥイング+ビバップ)
・オスカー・ピーターソン, エロール・ガーナー,ジョージ・シアリング,ナット・キングコール
・カーメン・キャバレロ(ラウンジ・ミュージック)
*KPS/Jazz piano コースの対象ではないが重要なスタイル
1950年代/ハードバップ
・レッド・ガーランド,ハンク・ジョーンズ,ウィントン・ケリー
1960年代/モダン
・ビル・エバンス,ハービー・ハンコック,チック・コリア, セシル・テイラー(前衛)
1970年〜/コンテンポラリー
・キース・ジャレット,ポール・ブレイ他
という訳で主に1950年代以前の「スゥイング」「ビバップ」「中間派」をスクールの課題とします。
更に詳しい内容はは次回へつづく
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