ラウンジ・ミュージック専攻/演奏実習「カフェ業務の全てを知る」 [Lounge Music Project]
Kimball Piano Salon「ラウンジミュージック(ジャズ)専攻」のプレーヤー養成クラスでは,教室内でのレッスンやセミナーに加え,希望される方には提携するホテル等での「演奏実習」を行います。
レストラン等で実際に演奏/歌唱する事で「パファーマーとしてのスキル」を身に付けて頂こうという制度です。
尤も制度化はこの半年位前から準備を始め,漸く実効させる時点に来ましたが,以前から同主旨で,ある程度の演奏の形ができた方には,取りあえずカフェやレストランのステージ(演奏)を経験して頂いていました。
しかし,これは僕自身にも「精神的負担(?)」が大きく,非効率的な事と考えてみればKimball Piano Salonで「模擬ステージ」又は「発表会ライブ」を重ねれば,レッスンと現場の中間に位置するトレーニングできる事に気付き「制度化」したものです。(注;サイト等には未発表)
とは言えKimball Piano Salon内では駄目で,どうしても現場(カフェ等)に出ないと理解できないスキルがあります。
それは「カフェやレストランの一員として仕事する」という意識です。
得てして音楽奏者は「カフェに出演する」という意識はあるにしろ,その立場はお店側と客の中間的な,悪く言えば「お金を払わず,カフェの仕事もしないで,好きな事をやっている居候」みたいなものに陥ります。
僕は「そうではない! ホールスタッフやキッチン同様,音楽奏者もカフェの一員なのですよ」と言い,そうでないヒトには出演をお願いしません。
勿論,ただ演奏すればお客がわっと入る様な有名人ならば話しは別ですが…。
最近の若い人達に接していて,一寸苦笑してしまうのは,仕事の事で訪れる際に,妙に堅い,と言いますか妙に「ビジネス」風に接する方が少なくない事です。
(「ビジネス」というのは千万円単位のお金で,億単位の売上をさす訳で,精々数万円のギャラのやり取りに「ビジネス」風なぞ不要で,「感覚」で「意気投合」し,「とりあえず始め」つつ「試行錯誤」できるよう「居酒屋ででも腹を割って話しあう」方が早いのですけどね…。)
問題は,「ビジネス風」は良いとして,殆どのヒトが「どういう経済利益を僕にもたらしてくれるのですか?」という問いに答えられない点です。
「素晴らしいピアノ演奏をします」
これは大変結構です。では「演奏するカフェやプロデュースする僕にどういう経済利益があるのですか?」という事を何も説明できない。これでは「ビジネス」とは言えません。
僕自身は音楽家も「ビジネス感覚」を有する事は大切だと思います。
ただ,それは「見積書〜請求書」でギャラのやり取りをする事では全くありません。
クライアントであるカフェなりホテルなりに対し,どういう経済的利益を与えれるのか?
を明確にできる事なのです。
最もシンプルなのは,有名演奏家であれば,演奏すればヒトが集まり,お店に対しての経済利益を与えれます。
しかし殆どの演奏者は逆で「お店が集めた客の前」で「自分の音楽を聴かせてあげる機会を持つ」というだけの話しなのです。
勿論,より良い演奏であらねばならない事は絶対条件です。
しかし厳密には「演奏」によって店の売上が上がるのか?或は客席の幾ばくかを潰し,ピアノを設置す程の価値があるのか?と聞かれると「さぁ」では困る訳ですね。
むしろ演奏自体の「経済効果」は説明できずとも,他の業務とも併せ,総体として「経済効果」を上げれる提案でも構わないのです。
とは言え,演奏者にそういう事を要求するのは酷かも知れませんね。
一つだけ要求する事は「演奏者はカフェやレストランの一員である」という意識を有する事です。
演奏者であれば良質な演奏が提供できねばなりません。加えて,
「一体,どんなメニューがあるのか?お店は何を売りたいのか?」 「ホールスタッフは何人いて,どれくらいのお客さんに接するのか?」 「お客さんの単価は平均幾らで,これを上げか,混雑時の客席の回転を高めるにはどうすべきか?」
等々に熟知しなければなりません。
要するに「演奏させて下さい。ギャラは四千円です」と言われても誰も相手にしませんが,「ギャラとして30万円下さい。その代わり30万円儲けさせます」といえば誰でも話しを聴きます。
とはいえ,所詮,ビジネスとてどうこうではなく,或は演奏会でもなく,カフェなりに来たお客さんが,飲み物やケーキ,食べ物に満足し,サービスに満足し,雰囲気である演奏に満足し,「これだったら2000円は安いなぁ」と感じて頂く事に努力しなければなりません。
それは演奏者が良い演奏を目指す事は当り前ですが,お店の業務の全てを知り,それに関心を持ち,相対して自分が何をすべきか?を見出した時に成立するという訳です。
というような事を「演奏実習」として学んで頂く訳です。
(つづく)
PS;リンクは上質なライブである「オスカー・ピーターソン/プリーズ・リクエスト」
レストラン等で実際に演奏/歌唱する事で「パファーマーとしてのスキル」を身に付けて頂こうという制度です。
尤も制度化はこの半年位前から準備を始め,漸く実効させる時点に来ましたが,以前から同主旨で,ある程度の演奏の形ができた方には,取りあえずカフェやレストランのステージ(演奏)を経験して頂いていました。
しかし,これは僕自身にも「精神的負担(?)」が大きく,非効率的な事と考えてみればKimball Piano Salonで「模擬ステージ」又は「発表会ライブ」を重ねれば,レッスンと現場の中間に位置するトレーニングできる事に気付き「制度化」したものです。(注;サイト等には未発表)
とは言えKimball Piano Salon内では駄目で,どうしても現場(カフェ等)に出ないと理解できないスキルがあります。
それは「カフェやレストランの一員として仕事する」という意識です。
得てして音楽奏者は「カフェに出演する」という意識はあるにしろ,その立場はお店側と客の中間的な,悪く言えば「お金を払わず,カフェの仕事もしないで,好きな事をやっている居候」みたいなものに陥ります。
僕は「そうではない! ホールスタッフやキッチン同様,音楽奏者もカフェの一員なのですよ」と言い,そうでないヒトには出演をお願いしません。
勿論,ただ演奏すればお客がわっと入る様な有名人ならば話しは別ですが…。
最近の若い人達に接していて,一寸苦笑してしまうのは,仕事の事で訪れる際に,妙に堅い,と言いますか妙に「ビジネス」風に接する方が少なくない事です。
(「ビジネス」というのは千万円単位のお金で,億単位の売上をさす訳で,精々数万円のギャラのやり取りに「ビジネス」風なぞ不要で,「感覚」で「意気投合」し,「とりあえず始め」つつ「試行錯誤」できるよう「居酒屋ででも腹を割って話しあう」方が早いのですけどね…。)
問題は,「ビジネス風」は良いとして,殆どのヒトが「どういう経済利益を僕にもたらしてくれるのですか?」という問いに答えられない点です。
「素晴らしいピアノ演奏をします」
これは大変結構です。では「演奏するカフェやプロデュースする僕にどういう経済利益があるのですか?」という事を何も説明できない。これでは「ビジネス」とは言えません。
僕自身は音楽家も「ビジネス感覚」を有する事は大切だと思います。
ただ,それは「見積書〜請求書」でギャラのやり取りをする事では全くありません。
クライアントであるカフェなりホテルなりに対し,どういう経済的利益を与えれるのか?
を明確にできる事なのです。
最もシンプルなのは,有名演奏家であれば,演奏すればヒトが集まり,お店に対しての経済利益を与えれます。
しかし殆どの演奏者は逆で「お店が集めた客の前」で「自分の音楽を聴かせてあげる機会を持つ」というだけの話しなのです。
勿論,より良い演奏であらねばならない事は絶対条件です。
しかし厳密には「演奏」によって店の売上が上がるのか?或は客席の幾ばくかを潰し,ピアノを設置す程の価値があるのか?と聞かれると「さぁ」では困る訳ですね。
むしろ演奏自体の「経済効果」は説明できずとも,他の業務とも併せ,総体として「経済効果」を上げれる提案でも構わないのです。
とは言え,演奏者にそういう事を要求するのは酷かも知れませんね。
一つだけ要求する事は「演奏者はカフェやレストランの一員である」という意識を有する事です。
演奏者であれば良質な演奏が提供できねばなりません。加えて,
「一体,どんなメニューがあるのか?お店は何を売りたいのか?」 「ホールスタッフは何人いて,どれくらいのお客さんに接するのか?」 「お客さんの単価は平均幾らで,これを上げか,混雑時の客席の回転を高めるにはどうすべきか?」
等々に熟知しなければなりません。
要するに「演奏させて下さい。ギャラは四千円です」と言われても誰も相手にしませんが,「ギャラとして30万円下さい。その代わり30万円儲けさせます」といえば誰でも話しを聴きます。
とはいえ,所詮,ビジネスとてどうこうではなく,或は演奏会でもなく,カフェなりに来たお客さんが,飲み物やケーキ,食べ物に満足し,サービスに満足し,雰囲気である演奏に満足し,「これだったら2000円は安いなぁ」と感じて頂く事に努力しなければなりません。
それは演奏者が良い演奏を目指す事は当り前ですが,お店の業務の全てを知り,それに関心を持ち,相対して自分が何をすべきか?を見出した時に成立するという訳です。
というような事を「演奏実習」として学んで頂く訳です。
(つづく)
PS;リンクは上質なライブである「オスカー・ピーターソン/プリーズ・リクエスト」
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