ラウンジ・ミュージック専攻/演奏実習.MCのトレーニング [Lounge Music Project]
僕が主宰する音楽教室の「ラウンジ・ジャズ専攻(ピアノ/ボーカル)」で行われる「演奏実習」についてのお話の「つづき」をしましょう。
MCができるようになる;
演奏者として稼働するには「演奏ができる」だけでなく,パフォーマーとしての職能が必要となります。
僕はピアノ奏者なのでMC(お話)は基本的にしませんが,一,二曲の「弾き語り」を披露する事もあり,その時はマイクを握って少しお話します。
これがボーカリストだと,最初から最後迄,曲と曲の間にMCをする必要があり,ピアノ奏者とは比較できない程のMC力必要となります。。
MCは生まれつき上手な人もいれば,苦手という人もありますが,何れにせよトレーニングは必要ですし,それを専門にする学校(教室)もある訳ですから,理想的にはそういう所に通われれば良いと思います。
但し,話し好きだからと言って延々とマイクを握っている人もいますが,音楽を聴きに来た人には迷惑な話しでしょうし,時間の長短や上手下手ではなく,話しの中身,つまり「客席とのコミュニケーションする力」が問われます。
如何にして「心が届く」のか?
これは音楽奏者に限らず,セールスマンもしかりですが,自分は何だとか,この曲(商品)はどうだ,とかを延々と話して悦に入っている人は,「聞いてあげる方の苦労」を察して頂きたいものですね。(ヒトの事は言えないけれど…汗)
それで「MCの練習」ですが,「話し方」そのものはアナウンスの専門家にお任せするとして,「何を話すべきか?」についてトレーニングをします。
勿論「取りあえずステージに出て慣れる」というのはお客さんやお店に対し失礼ですから,僕の所のサロンで四人位集めて「勉強会」をします。
例えば,これから演奏する,という想定でMCをする。
その時に他の三人は徹底的に野次る。
A「皆さん,こんにちわ。私は××から参りました」
皆「だから,どうしてってんだ!」
A「これから三十分の私の歌で今宵をお楽しみ下さい」
皆「あんたの歌やと酒がまずうなるわい!」
皆「三十分もやるんかい」
等々。
安部譲二さんの本によれば,例えばテレビを観る時にCMの際,トイレなぞに行っては「良いチンピラ」とは言えず,CMに向かってイチャモンを付けて「トレーニング」するそうです。
同じ事をやる訳ですが,勿論,親しい者同士で「冗談」として笑える関係にある事に限りますが。とにかく真剣に野次る。その事で「自分でも面白い話しが,相手には無意味に過ぎない」事はよくあります。
「自分はどこから来た」よりも「あなたはどこから来ましたか?」の方がベターですが,尤も「なんで,そんな事,聞くねん!」という反応もあり難しい訳ですが…。
とにかく「笑顔で頷いてくれるお客様」ではなく「苦々しく文句を言う」か「そもそも無視する」客を相手に僕達は仕事する訳です。
お客さんから「話してみたい」と心を開いて頂くのは,勿論,性格や人格もありましょうが,「仕事」としての能力を磨かねばなりません。
僕もMCは下手でして,代わりにコミュニケーションの為に色々な努力はしますが,結局は「あなたの事を真剣に観る」という事が大切でしょう。そういう事は性格的にも苦手なのですが,できた時の喜びというものはレパートリーと同様に増えていきます。
という訳でMCについては「単に形式的に無意味な挨拶をしてないか?」「観客は声を出さないにしろ,会話が成立しているか?」という事をまずは教室内でトレーニングし,次に実際のステージで「実習」をして頂く,というシステムです。
では次回は「カフェ全体を観る」という事についてお話しましょう。(つづく)
PS;写真はトレーニングをするKimball Piano Salonの模擬ステージです。
MCができるようになる;
演奏者として稼働するには「演奏ができる」だけでなく,パフォーマーとしての職能が必要となります。
僕はピアノ奏者なのでMC(お話)は基本的にしませんが,一,二曲の「弾き語り」を披露する事もあり,その時はマイクを握って少しお話します。
これがボーカリストだと,最初から最後迄,曲と曲の間にMCをする必要があり,ピアノ奏者とは比較できない程のMC力必要となります。。
MCは生まれつき上手な人もいれば,苦手という人もありますが,何れにせよトレーニングは必要ですし,それを専門にする学校(教室)もある訳ですから,理想的にはそういう所に通われれば良いと思います。
但し,話し好きだからと言って延々とマイクを握っている人もいますが,音楽を聴きに来た人には迷惑な話しでしょうし,時間の長短や上手下手ではなく,話しの中身,つまり「客席とのコミュニケーションする力」が問われます。
如何にして「心が届く」のか?
これは音楽奏者に限らず,セールスマンもしかりですが,自分は何だとか,この曲(商品)はどうだ,とかを延々と話して悦に入っている人は,「聞いてあげる方の苦労」を察して頂きたいものですね。(ヒトの事は言えないけれど…汗)
それで「MCの練習」ですが,「話し方」そのものはアナウンスの専門家にお任せするとして,「何を話すべきか?」についてトレーニングをします。
勿論「取りあえずステージに出て慣れる」というのはお客さんやお店に対し失礼ですから,僕の所のサロンで四人位集めて「勉強会」をします。
例えば,これから演奏する,という想定でMCをする。
その時に他の三人は徹底的に野次る。
A「皆さん,こんにちわ。私は××から参りました」
皆「だから,どうしてってんだ!」
A「これから三十分の私の歌で今宵をお楽しみ下さい」
皆「あんたの歌やと酒がまずうなるわい!」
皆「三十分もやるんかい」
等々。
安部譲二さんの本によれば,例えばテレビを観る時にCMの際,トイレなぞに行っては「良いチンピラ」とは言えず,CMに向かってイチャモンを付けて「トレーニング」するそうです。
同じ事をやる訳ですが,勿論,親しい者同士で「冗談」として笑える関係にある事に限りますが。とにかく真剣に野次る。その事で「自分でも面白い話しが,相手には無意味に過ぎない」事はよくあります。
「自分はどこから来た」よりも「あなたはどこから来ましたか?」の方がベターですが,尤も「なんで,そんな事,聞くねん!」という反応もあり難しい訳ですが…。
とにかく「笑顔で頷いてくれるお客様」ではなく「苦々しく文句を言う」か「そもそも無視する」客を相手に僕達は仕事する訳です。
お客さんから「話してみたい」と心を開いて頂くのは,勿論,性格や人格もありましょうが,「仕事」としての能力を磨かねばなりません。
僕もMCは下手でして,代わりにコミュニケーションの為に色々な努力はしますが,結局は「あなたの事を真剣に観る」という事が大切でしょう。そういう事は性格的にも苦手なのですが,できた時の喜びというものはレパートリーと同様に増えていきます。
という訳でMCについては「単に形式的に無意味な挨拶をしてないか?」「観客は声を出さないにしろ,会話が成立しているか?」という事をまずは教室内でトレーニングし,次に実際のステージで「実習」をして頂く,というシステムです。
では次回は「カフェ全体を観る」という事についてお話しましょう。(つづく)
PS;写真はトレーニングをするKimball Piano Salonの模擬ステージです。
コメント 0