ラウンジ・ミュージック専攻/演奏実習.カフェ空間に合わせた音を創る [Lounge Music Project]
カフェやレストラン等で活躍できるピアノ奏者やボーカリストを育成する為に「Lounge Music Project/音楽教室」では実際に現場に出演する「演奏実習」を始めました。
音楽に関しては教室内で学べますが,どうにも学べない「客席とのコミュニケーション」「カフェの仕事」ともう一つ。「音響」があります。
「音響」というのはスピーカーやミキサー等PA器材の操作と共にピアノやボーカルのサウンドを空間に合わて調整する二点があります。
ライブハウスと違いかフェの場合,音響器材を使いこなせるスタッフや人手があるとは限らないし,ちゃんとした器材がない場合も少なくありません。だから,ある程度は自分で操作できた方が良い訳です。
尤も大変なのは器材の使いこなしではなく,自分の演奏をどういうバランスでするのか?という感覚です。
違う話しになりますが,僕が主宰する大阪梅田にあるKimball Piano Salonの「レンタル・ピアノ練習室」ご利用者の大半は「自宅には電子ピアノしかないのでグランドピアノを弾きたい」との理由ですが「近々発表会があるので,自宅のアップライトでなくグランドピアノで練習しておきたい」という方も少なくありません。
中には「始めての発表会出演なので緊張します」と言われる方もおられます。
そういう場合「大きなホールだと,自分の弾く音が聴こえず,日頃より強めに弾く方が多いのですが,客席では充分に聴こえてますから,自分では聴こえない位で弾いた方が良いですよ」とアドバイスさせて頂きます。それで本番後にお会いした時に「リハーサルで音が聴こえずに焦りましたが,アドバイスを思いだし,その通りやるとうまくいきました」とご報告頂く事がままあります。
直ぐ近くに壁があり反射した音の固まりが届く狭い部屋と,反射する壁がないホールでは聴こえ方が全く違います。ホールでは自分では聴こえない位で,客席では丁度良いバランスで鳴っているケースが多々あります。
ところがカフェ等の場合,自分にも聴こえないが,客席では全く聴こえない,とか,ひどくアンバランスな音に聴こえる事がそう珍しい事ではありません。
別な問題として,ピアノ周囲は客席に直接音が届き,離れるとまるで聴こえない,という事も当り前のようにあります。いっそライブハウスのようにお客さん全員が「演奏を聴きに来たならば遠く迄届く様にガンガン弾けば済みます。
ところが「演奏なぞ聴く気が全くない団体客」がピアノ前に陣取って騒ぎ,「演奏を聴きに来た常連さん」が遠くの席に座る」という最悪の事態もある訳です。
従ってマイクで音を拾い,四方に配置したスピーカーから部屋に均等に届く様に鳴らす,というのが妥当な解決策となりますが,こればかりは,お店に因ります。
しかし更に重要な事は,物理的な「音響」操作ではなく,演奏による空間の音響調整です。
実は,ここからの話しは「秘伝(笑)」なのであまり公開したくありませんが,敢えて公開しましょう。
人間にとって「心地よい音バランス」というものがあり,例えばオーケストラ曲のように低音と高音のバランスが均等にする必要があります。
つまり高音(女声)ばかりだと低音が不足する訳で,僕の場合は,敢えてピアノの高音域はあまり使わず,低音域中心の即興(編曲)を行うし,低音(男声)が多い場合は高音を多用します。
或は比較的中音域のみで演奏する場合もあれば,低音と高音に手を広げる時もあります。
これらは「音楽的必然性」ではなく,「カフェ空間がその時々で必要とするバランス」の為に瞬時に変えねばならない事なのです。
且,これも「秘伝」を公開しますが(笑),カフェ等での「歓談し易い音の波(テンポ)」や「食事し易い」更には「お帰り頂く(笑)」迄その場に要求される「音の波」を作る必要があります。
ピアノ発表会ならば,ある意味,会場の状況に左右されず,日頃のバランスを再現する事を目指せば良いのですが,カフェだと演奏本来のバランスでなく,その場が要求するテンポや音数,音の高さに変えて音響を創ってこそ,聴いてて自然な感じを受けます。
そういう演奏や歌唱のによる「音響」調整については,さすがに教室では伝授できず,カフェ等の現場でしか,それもセオリーでなく,感覚でしか修得できないものです。
以上,僕の「Lounge Music Project/音楽教室」プレーヤー養成クラスの「演奏実習」についてご説明しました。
という訳でリンクは話しの内容と全然関係ありませんが,僕が好きなCD,シャーリー・ホーンのピアノ弾き語り「Here's to Life」。いかにも「夜カフェ」風のリバーブ感の強いボーカルと静かなピアノがとっても良く,且,美しいストリングやエレピの響きが夢幻的。
音楽に関しては教室内で学べますが,どうにも学べない「客席とのコミュニケーション」「カフェの仕事」ともう一つ。「音響」があります。
「音響」というのはスピーカーやミキサー等PA器材の操作と共にピアノやボーカルのサウンドを空間に合わて調整する二点があります。
ライブハウスと違いかフェの場合,音響器材を使いこなせるスタッフや人手があるとは限らないし,ちゃんとした器材がない場合も少なくありません。だから,ある程度は自分で操作できた方が良い訳です。
尤も大変なのは器材の使いこなしではなく,自分の演奏をどういうバランスでするのか?という感覚です。
違う話しになりますが,僕が主宰する大阪梅田にあるKimball Piano Salonの「レンタル・ピアノ練習室」ご利用者の大半は「自宅には電子ピアノしかないのでグランドピアノを弾きたい」との理由ですが「近々発表会があるので,自宅のアップライトでなくグランドピアノで練習しておきたい」という方も少なくありません。
中には「始めての発表会出演なので緊張します」と言われる方もおられます。
そういう場合「大きなホールだと,自分の弾く音が聴こえず,日頃より強めに弾く方が多いのですが,客席では充分に聴こえてますから,自分では聴こえない位で弾いた方が良いですよ」とアドバイスさせて頂きます。それで本番後にお会いした時に「リハーサルで音が聴こえずに焦りましたが,アドバイスを思いだし,その通りやるとうまくいきました」とご報告頂く事がままあります。
直ぐ近くに壁があり反射した音の固まりが届く狭い部屋と,反射する壁がないホールでは聴こえ方が全く違います。ホールでは自分では聴こえない位で,客席では丁度良いバランスで鳴っているケースが多々あります。
ところがカフェ等の場合,自分にも聴こえないが,客席では全く聴こえない,とか,ひどくアンバランスな音に聴こえる事がそう珍しい事ではありません。
別な問題として,ピアノ周囲は客席に直接音が届き,離れるとまるで聴こえない,という事も当り前のようにあります。いっそライブハウスのようにお客さん全員が「演奏を聴きに来たならば遠く迄届く様にガンガン弾けば済みます。
ところが「演奏なぞ聴く気が全くない団体客」がピアノ前に陣取って騒ぎ,「演奏を聴きに来た常連さん」が遠くの席に座る」という最悪の事態もある訳です。
従ってマイクで音を拾い,四方に配置したスピーカーから部屋に均等に届く様に鳴らす,というのが妥当な解決策となりますが,こればかりは,お店に因ります。
しかし更に重要な事は,物理的な「音響」操作ではなく,演奏による空間の音響調整です。
実は,ここからの話しは「秘伝(笑)」なのであまり公開したくありませんが,敢えて公開しましょう。
人間にとって「心地よい音バランス」というものがあり,例えばオーケストラ曲のように低音と高音のバランスが均等にする必要があります。
つまり高音(女声)ばかりだと低音が不足する訳で,僕の場合は,敢えてピアノの高音域はあまり使わず,低音域中心の即興(編曲)を行うし,低音(男声)が多い場合は高音を多用します。
或は比較的中音域のみで演奏する場合もあれば,低音と高音に手を広げる時もあります。
これらは「音楽的必然性」ではなく,「カフェ空間がその時々で必要とするバランス」の為に瞬時に変えねばならない事なのです。
且,これも「秘伝」を公開しますが(笑),カフェ等での「歓談し易い音の波(テンポ)」や「食事し易い」更には「お帰り頂く(笑)」迄その場に要求される「音の波」を作る必要があります。
ピアノ発表会ならば,ある意味,会場の状況に左右されず,日頃のバランスを再現する事を目指せば良いのですが,カフェだと演奏本来のバランスでなく,その場が要求するテンポや音数,音の高さに変えて音響を創ってこそ,聴いてて自然な感じを受けます。
そういう演奏や歌唱のによる「音響」調整については,さすがに教室では伝授できず,カフェ等の現場でしか,それもセオリーでなく,感覚でしか修得できないものです。
以上,僕の「Lounge Music Project/音楽教室」プレーヤー養成クラスの「演奏実習」についてご説明しました。
という訳でリンクは話しの内容と全然関係ありませんが,僕が好きなCD,シャーリー・ホーンのピアノ弾き語り「Here's to Life」。いかにも「夜カフェ」風のリバーブ感の強いボーカルと静かなピアノがとっても良く,且,美しいストリングやエレピの響きが夢幻的。
コメント 0