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秘伝公開(?!)「息を吸ってから歌う」という簡単な事ができていないのです [レッスン]

前回「合唱経験」のある方から「ジャズボーカルとクラシック(合唱)とでは発声等が違うのか?」
という質問を頂きました。

それで、このブログで返信を書き始めた所、つい「ジャズボーカルが成立するまでの歴史」
を書いて時間が尽きました(汗)。

という訳で今日はマジメに解凍しましょう。

声は前方に投げるのですか? 上方に抜く感じですか?

質問/

発声に関してですが、
言葉は「前方に投げる感じ」というのはわかりました。
音に関しても同じでしょうか?

私は合唱をやっていましたが、その時のイメージとしては
高音は、後頭部を通って頭頂へ抜いていく という感じが染みついています。
(たぶん裏声だと思います)

ジャズボーカルでは、音程の高い音もすべて前に飛ばしますか?

回答/「声」には「共鳴」と「空気」があるのです

先ずは認識と言いますかレッスンの復讐をしますと、
「声」には身体のどこかに響かせる「共鳴音」と、
口から「空気」を吐き出す「呼吸音」があります。

これは合唱に限らず、ジャズやポップス等のジャンルを問わず
「ボーカル」をやる人に多く見られる特徴と言いますか「悪癖」ですが、
得てして「共鳴音」のみで勝負(?)したがります。

「ええ声でんなー」

なんて評価は嬉しいものですが、声が良いとか悪い、とかは、
大雑把に言えば「共鳴」の具合によります。

或いは本人の努力とは無関係に、骨格や何かが生まれながらにして
「ええ声」を作る形を有する場合は決して少なくありません。

いわば「美人」に生まれたようなものです。

又、「努力」に寄って「美人」に近づいたり、より「美人」になれます。

つまりは「共鳴」いかんで「美人」度をあげれる訳です。

かと言って女性の人格というものが「美人」かどうかで決めれないのと同様、
「歌唱」としての「表現」は「共鳴」だけで決めれません。

「息を吸う」簡単な事だけで殆どの人ができていない「発声の基本」です

これはウチの「秘伝(笑)」の一つですが、殆どの人が「息を吸う」事なしに、
歌い始めたり、話したりしますが、これが「間違い」の始まり。

例えば「Fly me to the Moon」と読んでみて、
と言うと何の気なしに、「息を吸わず」に喉を共鳴させて「フライ・ミー〜」と始めます。

これがダメなのです。

尤も「息を吸って」と言うと、フーッと肩をあげ、かつ喉の奥を閉めて息を吸いますが、
これもダメ。

僕は「息を吸う」イメージを掴んで貰うために腕をグーンと上げて貰いますが、
この際、真っ直ぐ上に上げれる人と、途中でへたばってしまう人とがあります。

基本的に日本人の「リズム感」と言いますか、「身体の使い方」は、
「腕を上げる」事ではなく、「打ち下ろす」方に慣れています。

最近はサッカーが流行し、応援も海外のサッカー・ファン風に
「オー」とか言って腕を上げるのですが、どうも決まらないのは、
日本人の「リズム感」が「上げる」よりも下ろす「叩く」と言う方向だからです。

「モグラ叩き」のようにパンパンと叩く程に「興奮」するように身体ができています。
逆にゴルフのように上に上げる方向では「興奮」できないのです。

まぁ「息を吐かない」と「息を吸えない」から、
沢山の吐ききれば、循環して吸う事にはなりますが、
「息を吸う」後に「息を吐く」のとは全然違ってきます。

例えば、(いつものように)「息を吸わず」にアーでもウーでも適当に声を出して下さい。

カエルのように喉の奥が振動してアーなりウーなりが鳴っている事を分かります。

次にバースデーケーキの蝋燭を消すように、息を吸ってから、
口を尖らしてフーと息を前方に吹き出して下さい。

喉ではなく唇が振動している事が分かるでしょう。

そして、こうやって出てくる「呼吸音」こそが、
「歌唱の表現」の本質となります。

勿論、頭の上に響かせるとかの「共鳴」も
「ええ声」を作る上で重要ですが、
更に重要なのは「呼吸音」なのです。

そして、特に「マイク」に集音させるジャズやポピュラー系ボーカルの場合、
端的には(あくまで極論ですが)「共鳴」は不要で、「呼吸音」だけが問われます。

何故ならば、マイクは「集音器」ではなく、マイクは「楽器」であり、
マイクやスピーカーの振動板を最大に「共鳴(振動)」させる事こそが、
「表現力を持つボーカル」への道と言えましょう。

確かに身体への「共鳴」も無視できませんが、
それだけならば、いわば「美人なだけ」で
「何も意味がある事を発言できないキャスター」みたいなもの。

それでも「映像」を伴う場合は格好が付きますが、
ラジオ番組や「音だけで勝負する録音」の場合は、
なんの表現力も感じられない、平板な歌にしかなりません。

まぁ、実際にはマイクには二種類あり、
「ダイナミック・マイク」の場合、殆ど口に密着させて歌います。
(それ故、my マイクを用意して頂きたいのですが)

この場合、端的には「頭の方の共鳴させた音」はマイクには収録されません。

もう一つは主に録音に用いる「コンデンサー・マイク」ですが、
これもクラシック系歌手の場合は、身体の共鳴のみならず、部屋での反響までを録音し、
ジャズ・ポピュラー系の場合も、ある程度は身体の「共鳴音」も録音します。

又、現実に「呼吸音」がちゃんとできれば、自然と「共鳴音」も綺麗に出てくる訳で、
二者択一ではなく、「呼吸音も共鳴音」も上手に使えるか、
「共鳴音のみを追求しているつもりで、本当に共鳴声している訳でない声」
しか出せない、かのいずれでしょう。



****
なんて話ですが、時間が来ましたので、
次の質問である「子音と母音の関係」については次回に続きます!

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