映画「愛情物語」の主人公/エディ・デューティンは素晴らしいラウンジピアニストだ! [Lounge Music Project]
ラウンジミュージック講座/6,愛情物語の主人公;エディ・デューチンのピアノ
映画「愛情物語」の実在の主人公であるピアニスト,エディ・デューチンを知っていますか?
1930〜40年代に活躍した「ラウンジミュージック」のピアニストで,映画の演奏はカーメン・キャバレロがを担当しています。
最近迄,エディ・デューチンへの注意を僕は払って来ませんでした。
映画「愛情物語」自体,特に好ではない事と,に良いとも思わなかったし,キャバレロの演奏は良いとして,それと実在のデューチンの演奏は関係ないだろう,と思ってたからです。
関係ない,というのは,クラシックの場合,例えばショパンの曲演奏は,表現は違うにしろ,1930年代と'50年代とで極端には変わりません。
ところがジャズの場合,1930年代のジャズと'50年代ではクラシックの「古典派」と「ロマン派」程異なり,かっては用いられていなかった和音やフレーズが新しいものには用いられます。
即デューチンの活躍した1930〜'40年代には「カーメン・キャバレ・スタイル」は存在しない訳で,それだけでデューチンの音楽とは違うと思ってました。
というかキャバレロの演奏は良いとして,デューチンというのは「若くして死んだ」という事以外に「売り」がない普通のピアニストだろう位に思ってました。,'
ところがYou-Tubeでデューチンの演奏を観て僕は驚愕してしまいました。
僕が「カーメン・キャバレロ・スタイル」と思っていたフレーズや編曲法の殆どがデューチンの演奏に登場するのです!
つまり「キャバレロ・スタイル」ではなく「デューチン・スタイル」だった訳です!
まずはキャバレロとデューチンを聴き比べてみましょう。
まずはキャバレロから;
1,サントラ http://youtu.be/FuX3ssL9aKM
2,独立レコード http://youtu.be/s7mhWMC0QKs
デューチン http://youtu.be/2LR_jqS2A_Q
1,サントラはショパンの原曲にほぼ近く,2のレコード版こそが正に「カーメン・キャバレロ・スタイル」なのですが,デューチンの演奏を聴くと,ピアノそのものはキャバレロと大して違わない編曲がなされています。
僕自身は,ホテル等で演奏する際には,プロモーターに言わせると「キャバレロ・スタイル」風らしいしですし(全然違いますけど),初歩的な事は自分の教室で教え,キャバレロの奏法(編曲)についても研究しています。
キャバレロや「ラウンジミュージック」について専門的知識があるつもりでしたが,不覚にもエディ・デューチンについて全く認識していませんでした。
つまりキャバレロのスタイルはデューチンが創ったものだと,という事を知らなかった次第で,デューチンの演奏を聴いて冷汗が出ました。
まぁ,私淑した師匠方もデューチンをご存知なかったし,僕の周囲の「マニア(?)」も知らなかった訳で,日本では殆ど知られてないから,僕が知らなくても致し方ない,と言い訳できなくもないのですが(笑)。
但し,英米人で「ラウンジミュージック」のピアノに関わる人は,割合,知っているようです。
考えてみれば映画「愛情物語」という邦題が宜しくなく,原題の「Eddy Dutin Story」そのままに「エディ・デューティ物語」と訳せば印象に残つたかと。
尤もベニー・グッドマンと違い,戦前になくなった地味な「ラウンジミュージックのピアニスト」なぞ,当時の日本では知られてない訳で,「愛情物語」と付けなければ映画そのものがヒットしかなったろうから致し方ないのですが…。
という訳で俄にエディ・デューティンの事が気になり始めました。
よって予定(そんなものはないけれども…笑)変更し,エディ・デューティンについて連載します。
エディ・デューティン自身も事もお話したいのですが,デューティンに影響しただろう1920〜40年代のジャズやクラシックの音楽家を語れば,「ラウンジミュージック」についての洞察が相当に深まる,と思えるからです。
カーメン・キャバレロの音楽自体は大変に素晴らしいですが,それを真似た,しかし似て非なるものを更に摸倣したような「ポピュラーピアノ」奏者が少なくないのは誠に困った事です。
映画「愛情物語」でのデューティンは,様々な幸運をものにして成功する,という事になっていますが,音楽的な部分では,一体何を聴き,何に影響し,どう努力したのか?という事は殆ど描かれていません。
金持令嬢や愛息との交歓も確かに感動的ですが,僕のような音楽関係者としては,例えば映画「レイ」の如く「レイ・チャールズがどうやって自分の音楽スタイルを築いたのか」を描いて欲しかったですね。
ならば,僕自身の見方でもって,デューテインの音楽人生を解析しましょう,という心づもりです。
PS;宣伝/ 僕が主宰する大阪梅田にある「Kimball Piano Salon」では「ラウンジミュージック」のピアノ科とボーカル科の11月生を募集します。ご興味のある方はサイトをご覧下さい。
http://www016.upp.so-net.ne.jp/kimball
(つづく)
映画「愛情物語」の実在の主人公であるピアニスト,エディ・デューチンを知っていますか?
1930〜40年代に活躍した「ラウンジミュージック」のピアニストで,映画の演奏はカーメン・キャバレロがを担当しています。
最近迄,エディ・デューチンへの注意を僕は払って来ませんでした。
映画「愛情物語」自体,特に好ではない事と,に良いとも思わなかったし,キャバレロの演奏は良いとして,それと実在のデューチンの演奏は関係ないだろう,と思ってたからです。
関係ない,というのは,クラシックの場合,例えばショパンの曲演奏は,表現は違うにしろ,1930年代と'50年代とで極端には変わりません。
ところがジャズの場合,1930年代のジャズと'50年代ではクラシックの「古典派」と「ロマン派」程異なり,かっては用いられていなかった和音やフレーズが新しいものには用いられます。
即デューチンの活躍した1930〜'40年代には「カーメン・キャバレ・スタイル」は存在しない訳で,それだけでデューチンの音楽とは違うと思ってました。
というかキャバレロの演奏は良いとして,デューチンというのは「若くして死んだ」という事以外に「売り」がない普通のピアニストだろう位に思ってました。,'
ところがYou-Tubeでデューチンの演奏を観て僕は驚愕してしまいました。
僕が「カーメン・キャバレロ・スタイル」と思っていたフレーズや編曲法の殆どがデューチンの演奏に登場するのです!
つまり「キャバレロ・スタイル」ではなく「デューチン・スタイル」だった訳です!
まずはキャバレロとデューチンを聴き比べてみましょう。
まずはキャバレロから;
1,サントラ http://youtu.be/FuX3ssL9aKM
2,独立レコード http://youtu.be/s7mhWMC0QKs
デューチン http://youtu.be/2LR_jqS2A_Q
1,サントラはショパンの原曲にほぼ近く,2のレコード版こそが正に「カーメン・キャバレロ・スタイル」なのですが,デューチンの演奏を聴くと,ピアノそのものはキャバレロと大して違わない編曲がなされています。
僕自身は,ホテル等で演奏する際には,プロモーターに言わせると「キャバレロ・スタイル」風らしいしですし(全然違いますけど),初歩的な事は自分の教室で教え,キャバレロの奏法(編曲)についても研究しています。
キャバレロや「ラウンジミュージック」について専門的知識があるつもりでしたが,不覚にもエディ・デューチンについて全く認識していませんでした。
つまりキャバレロのスタイルはデューチンが創ったものだと,という事を知らなかった次第で,デューチンの演奏を聴いて冷汗が出ました。
まぁ,私淑した師匠方もデューチンをご存知なかったし,僕の周囲の「マニア(?)」も知らなかった訳で,日本では殆ど知られてないから,僕が知らなくても致し方ない,と言い訳できなくもないのですが(笑)。
但し,英米人で「ラウンジミュージック」のピアノに関わる人は,割合,知っているようです。
考えてみれば映画「愛情物語」という邦題が宜しくなく,原題の「Eddy Dutin Story」そのままに「エディ・デューティ物語」と訳せば印象に残つたかと。
尤もベニー・グッドマンと違い,戦前になくなった地味な「ラウンジミュージックのピアニスト」なぞ,当時の日本では知られてない訳で,「愛情物語」と付けなければ映画そのものがヒットしかなったろうから致し方ないのですが…。
という訳で俄にエディ・デューティンの事が気になり始めました。
よって予定(そんなものはないけれども…笑)変更し,エディ・デューティンについて連載します。
エディ・デューティン自身も事もお話したいのですが,デューティンに影響しただろう1920〜40年代のジャズやクラシックの音楽家を語れば,「ラウンジミュージック」についての洞察が相当に深まる,と思えるからです。
カーメン・キャバレロの音楽自体は大変に素晴らしいですが,それを真似た,しかし似て非なるものを更に摸倣したような「ポピュラーピアノ」奏者が少なくないのは誠に困った事です。
映画「愛情物語」でのデューティンは,様々な幸運をものにして成功する,という事になっていますが,音楽的な部分では,一体何を聴き,何に影響し,どう努力したのか?という事は殆ど描かれていません。
金持令嬢や愛息との交歓も確かに感動的ですが,僕のような音楽関係者としては,例えば映画「レイ」の如く「レイ・チャールズがどうやって自分の音楽スタイルを築いたのか」を描いて欲しかったですね。
ならば,僕自身の見方でもって,デューテインの音楽人生を解析しましょう,という心づもりです。
PS;宣伝/ 僕が主宰する大阪梅田にある「Kimball Piano Salon」では「ラウンジミュージック」のピアノ科とボーカル科の11月生を募集します。ご興味のある方はサイトをご覧下さい。
http://www016.upp.so-net.ne.jp/kimball
(つづく)
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