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ラウンジミュージックについて/その1 [音楽スタイル]

ラウンジ・ジャズについて

アメリカンピアノ・ソサエティー音楽教室では「Lounge Jazz」のピアノや弾き語りのレッスンを展開しています。

http://web.mac.com/pianosalon/iWeb/American%20Piano%20Sosiety%20by%20AI%20Music%20Salon/Lounge%20Piano.htmlhttps://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/319ZVS89NAL._SL75_.jpg

尤も「Lounge Jazzとは何ですか?」という根本的な部分について問合せを頂く事が多々ありますので、今回はそれについてお話ししましょう。

「Lounge Jazz」という言葉、僕の造語ではないにしろ、一般的ではなく、
多分、イメージは伝わるものの、定義のはっきりしない音楽スタイルです。

僕としては「ラウンジ・ミュージックの範疇に含まれるジャズ」という意味で使っていますが、
「ラウンジミュージック」自体も定義がはっきりしていません。
(日本の「ホステスさんがいるスナックで流れる歌謡曲調ピアノ」とは別物ですが…。)

本来は、ホテルや空港の「ラウンジのBGM」という意味らしいのですが、今ではスタバのBGMも「ラウンジミュージック」と呼んでも差支えなく、或は、クラシックの室内楽も含めてしまえます。

一般的には1950年代の「ボールルーム・ミュージック」と呼ばれるジャズ系「社交ダンスの音楽」からが「ラウンジミュージック」と呼ばれるようです。

ちなみにアメリカン・ピアノ・ソサエティーの母体であるAI Music Salonでは、次の三種の「ラウンジミュージック」の音楽振興や演奏家育成をしています。

1,イージーリスニング(50〜70年代のボールルーム・ミュージック)
2,ラウンジ・ジャズ(40〜50年代のモダン・スウィング)
3,スムース・ジャズ(DJが加わる打込み系Lounge Music)

アメリカンピアノ・ソサエティー音楽教室では2の「ラウンジ・ジャズ」を中心にしますが、
基盤である1の「イージーリスニング」=「ボールルーム・ミュージック」もレッスン課題になにります。今回は、この「ボールルーム・ミュージック(以下ボールルーム)」についてお話しましょう。

「ポールルーム(音楽)」の先祖は「ウィンナ・ワルツ」や「メヌエット」等のクラシック系舞曲ですが、今時は「大統領晩餐会」でも「メヌエット」でなく「ボールルーム」が用いられる筈ですが、
いずれも格式の高い儀式の音楽になっています。

ちなみに僕達は「レストラン=食事をする場」と思っていますが、欧米では格式が上がる程に、
スーツやワンビースでは駄目、タキシードやドレスが必要となる「社交ダンス」付きの会となります。
勿論、僕達がタキシード着用の「晩餐会」に呼ばれる事はまずありませんが、日本で言えば、
結婚披露宴/パーティも相当の格式を要求される訳です。

尤も日本では、ビンゴだかビンボーだかの下らないゲームに興じたで貧相ですが、欧米だと「社交ダンス」が始まる訳です。

マリー・アントワネット時代あたりから王侯貴族階級では、それぞれがオーケストラを抱えており「食事に音楽が欠かせない」「欧貴族は音楽を愛好した」等の説を伺いますが、僕が想うに、お目当ては「音楽鑑賞」ではなく食後のダンスでしょう。
何の事はない、今で言う「コンパ」の役目があり、「食中の会話で雰囲気を高め」、「ダンスで密着し」…という魂胆が故に、よい音楽を求めた、というのが真相だと思いますが、王侯貴族階級は、少し前は海賊だったりする訳で野蛮なパワーの持ち主であり、色事にもドン欲だった筈です。

但し、野蛮なだけではなく、日本の戦国武将が「茶道」を嗜みとした如く、欧州の貴族も「教養」を必修とし、それ抜きには「モテなかった」筈です。
要するに、バッハ時代から「勝負ドレスを着込んだ女性と恋を語る」お膳だてとして、社交ダンスとその音楽は発達し、1950年代の「ボールルーム」をもって一つとして頂点を迎えます。

19世紀の「社交ダンス」音楽の頂点がシュトラウスによる「ウィーンナ・ワルツ」ならば、
20世紀は1930年代のガーシュインやエリントンの音楽も頂点だといえます。

更に1950年代に絶頂を迎えたのは、それまでのSPと呼ばれる音質の悪い、片面3分しか録音できないレコード家でなく、30分録音できと向上した音質を持つLPの出現で、レコードはビッグビジネスとなり、それ故、大きな予算によるレコード制作が可能となりました。

かつ50年代の米国は「世界一の経済大国であり「戦勝国」でもあり、圧倒的な国力を誇ります。
そうしてできた50年代のボールルーム(社交ダンス)は、例えばピアノ音楽として、「愛情物語」が大ヒットしたカーメン・キャバレロを上げれますが、昔のフルサイズのアメリカ車みたいな、ラフマニノフばりの豪華絢爛なピアノ音楽とジャズ・イディオムが融合した、リッチな音楽になります。

或はピアノではないが、マントバーニー・オーケストラも素晴らしいし、「ロニー・アルドリッチの二台のピアノ/オーケトラ」もかなりのものです。

これらを正確には「ボールルーム・ミュージック」と呼ぶべきですが「イージーリスニング」ともいいますし。総じて「ラウンジミュージック」とひっくるめて呼びます。

これらの音楽はジャズの楽理と、クラシックのピアノ技法やオーケストラを融合させたイタリー系米国人を中心とする「ラウンジミュージック」です。

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ザット・アルドリッチ・フィーリング(紙ジャケット仕様)

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