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クラシックピアニスト/レスナーの為のジャズピアノ教室1 大阪梅田 [チャールストン倶楽部]

皆さん、こんにちは、というか随分ご無沙汰してました。大阪梅田Kimball Piano Salon主宰の藤井一成です。ジャズピアノとジャズボーカルのレッスンと演奏をやってます。

なんて改めて自己紹介しましたが、もっぱらYouTubeとフェイスブックの発信に偏り、このブログは休眠状態でした。

フェィスブックとブログの違いは、ブログの方が長文が書け、言いたい事をじっくり書けて良いのですが、この二年のコロナ渦以来、改めて発信するような話もなく、むしろ、オンラインを活用しての色々な人との交流が楽しい、というか必要で、そちらに偏っていた次第です。

尤も、二年も経れば周辺の状況も変わるし、自分が「やりたい事&やれる事」も変わり、新たな計画を発表させて頂こうかとか、思う訳で、詳しく書けるブログに復帰した次第です。

ピアノソロに挑戦する=クラシックピアニストの為のジャズを提唱

この二年間、コロナの影響でやりづらかったのが、「ボーカルとの合奏」でした。
ボーカルとピアノとのデュオも楽しいが

僕は格別に「ボーカルの伴奏」が好きな訳ではありませんが、若い頃から、「歌手の伴奏の仕事」とのご縁が強く(若い頃はクラシックの声楽家を目指した事もありました)、又、この十年くらいは独自の歌唱メソッドによる「ボーカル科」を始め、生徒さんの伴奏も含めれば、毎日、何時間かは「ボーカルの伴奏」をする年月を過ごしていた訳です。

「伴奏」と一口に言っても、トランペットやサックスと「ボーカル」では勝手が違いますが、長年やってますと、自分の手が「ボーカル伴奏向き(?)になってしまった気がします。

巷で言われる「歌の邪魔をしない伴奏」とは、はっきり言って「下手な伴奏」に過ぎず、音楽全体のメロディやハーモニー、リズムを理解し、しっかりしたタッチで、歌手と共に音楽を立体構築するのが本来のあり方ですが、それでも歌手の声質に合わせてサウンドを変える事は必要。

だから「ボーカル伴奏向きな手(ピアノ演奏)」になる事は否めません。

僕のボーカルレッスン(リハーサル風景)https://youtu.be/DqnR85n-3HA

ところで、僕の場合、「伴奏」ばかりやっている訳でなく、ピアノがメインの「ピアノトリオ」の演奏も「本業」としてやっています。

ジャズの場合、ピアノといえどベースやドラム等の「伴奏」が必要だが

クラシックピアノの場合、ピアノソナタにせよ、ノクターンにせよ、「ピアノ一台によるソロ」が中心。

クラシックピアノをずっと習っている人で、一生、他の楽器と合奏せず、ずっとソロしかやらない、なんて事は珍しい事ではありません。

ところが同じクラシックでも、バイオリンやフルート、声楽等は「ピアノ伴奏」等が当然入って来ますから、一生「合奏しない」なんて人はいません。

同様にジャズの場合、ピアノであってもベースやドラム等の「合奏」なしでは、音楽として成立せず、ジャズでの「ピアノソロ」とは、クラシックの「無伴奏バイオリ・パルティータ」のように、いわば「無伴奏ピアノ音楽」という事になり、なかなか厄介。

「ボーカル伴奏」をする場合も、ベースやギターの「伴奏」があれば、ピアノは凄く楽なんです。

僕のユニット/Chat noir https://youtu.be/7X_Wy34AykI

尤も時勢柄、「編成を最小限にしてくれ」と言う条件が少なくなくて、結局、ボーカルとピアノの二人で出かける、と言うパターンが増えましたが、ボーカルがメロディーを担当し、それ以外をピアノが担当する、というのは、正直言って、ギリギリ、楽にやれる範疇なのです。

困るのは時節柄「ボーカルも要らないから、藤井さん、一人でソロピアノやってよ」なんて依頼が入る場合なのです。

勿論、仕事の依頼は嬉しいのですが「厄介な仕事だな」と内心思ってしまうのは、前述のように「ソロピアノ」とは、クラシックのバイオリストがピアノ伴奏なしでコンサートをするようなものだからです。
1930年代のストライドピアノ=アメリカ版のショパンやリスト

ところで、このブログで何度か書きましたが、一口に「ジャズ」と言っても色々あり、日本で「ジャズ」を意味する1950〜60年代の「モダンジャズ」だけではなく、1930〜40年代の「スウィング・ジャズ」や1920年代の「ニューオリンズ・ジャズ」など様々あります。

僕自身は、十代から「モダンジャズ」を聴き、いわば「モダンジャズの道(?)」を志した事もあり、むしろ1970〜80年代の「フュージョン」をやってみたり、案外に1990年代の「打ち込み系のクラブ・ジャズ」をやってたりします。

(番外編/打ち込み系のクラブジャズでの僕の演奏https://youtu.be/bUJQGXhGih0)

逆に、より古い「スウィングジャズ」には興味がありませんでした。

しかし、考えて見れば、「スウィング・ジャズ」のピアノ奏法である「ストライドピアノ」は、「ソロピアノで完結」する、つまりはクラシックピアノ同様に、一人で完結するスタイルなので、これができるようになれば便利だな、と思い至った訳です。

そういえば映画「カサブランカ」の中でピアニストのサムがピアノソロや弾き語りで魅せてくれましたが、これも「ストライドピアノ」なのです。

映画カサブランカでのサムの演奏https://youtu.be/7vThuwa5RZU

ちなみに楽譜は「ストライドピアノ」の最高峰であるアート・テイタムの演奏を採譜した楽譜ですが、両手をフルに使った音楽だし、敢えていえばショパンやリストの延長線上にある音楽だとも言えます。

MN0152541.gif



クラシックピアノの巨匠、ホロビッツが唯一認めたピアニストは、ジャズの巨匠アート・テイタム

テイタムについて話せば、1930〜50年代に活躍(50年代に病死)した、未だにテイタムを越えるジャズピアニストは存在しない。と言わせる「ストライドピアノ」の最高峰です。

テイタムの映像 https://youtu.be/D9Cs_zb4q14

テイタムについての逸話として、「20世紀最大のクラシックピアニスト」と言われたホロビッツ(ウクライナ生まれでモスクワで活躍)がソ連革命を逃れ、パリを経て、米国に亡命した際、唯一、気に入ったのがアート・テイタムだ、というお話があります。

ホロビッツは実際に「世界一の巨匠」で超絶技法の持ち主。唯一、尊敬するピアニストとして先輩のラフマニノフをあげましたが、他のピアニストは全てバカにしていたようで、当時、ホロビッツと人気を二分したアルトゥール・ルービンシュタインなぞ、勝手に「格下」と見なしたいたようです。

ホロビッツの自作自演 https://youtu.be/WV_Nh884PKg

ルービンシュタインの方が年齢もキャリアも上ですが、社交的なルービンシュタインはホロビッツと親交を結ぼうとして、食事に招待したりしたようです。

ところが、ホロビッツがどうもルービンシュタインに対し「上から目線」で話す事にも困惑しましたが、パリだったかで、ホロビッツから食事に招かれた際、外国にいたのをわざわざホロビッツの為にパリに戻ったにも関わらず、ホロビッツがすっぽかしたりで、ついに堪忍袋の尾が切れ、絶交したとも言われています。

それほど自信満々と言いますか、人を見下していたホロビッツですが、唯一、尊敬したピアニストが、同じく米国に亡命していたセルゲイ・ラフマニノフと共に、アート・テイタムでした。

なんとホロビッツは、テイタムが出演していたクラブに、テイタムを聴くために毎夜通い、或いはラフマニノフや義父である、これも世界一流の指揮者トスカニーニを連れて行った、と言います。

実は、この話については僕は「伝説」つまり作り話だと思っていたのですが、ホロビッツをテイタムに引き合わせたジュリアード音楽院の先生の手記から、これが実話である事が判明。

またテイタムの方では好きなピアニストとしてホロビッツを、好きな作曲家としてラフマニノフをあげていましたから、互いに才能を認め合っていた、という訳でしょう。

参考/米国亡命後のラフマニノフの演奏録音 https://youtu.be/pVAl47hlcxg
プロ/アマ・クラシックピアニストに「ストライドピアノ」がお薦めな訳

ところで肝心のタイトルである「クラシックピアニストの為のジャズ」ですが、クラシック界の巨匠ホロビッツやラフマニノフが認めたから、という訳ではありませんが、クラシック系音大卒のピアニストの方にも、ずっとピアノを習っていたショパンのワルツくらいは弾けるよ、という方には、テイタムはさて置き、「ストライドピアノ」をお薦めましす。

ライブハウスでセッションする「モダンジャズ」ではなく、ソロピアノでも成立するレトロな「スウィング・ジャズ」のピアノスタイルである「ストライドピアノ」。

なぜ「ストライドピアノ」がいいのか、という事と共に、話を戻しまして「なぜホロビッツがテイタムを聴きに通った」のかについても、突っ込んでお話したいと思います。

その事で「クラシックピアニストが目指すジャズ」として僕が「ビンテージ・スウィング」と呼ぶスタイルか最適だとご理解できるかとおもいます。

と言いつつ時間が来ましたので、続きは次回に !

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